彼は何を考えているかというと、こんなことでした。
「さっきの問題って、どこがいちばん難しかっただろう?」
「もし東大で似たような問題が出たら、自分はちゃんと解けるだろうか?」
「次に似た問題に出会ったら、最初にどこから手をつければいいだろう?」
「途中で詰まったあの場面、ほかにどんなやり方が考えられただろう?」
ノートも解説も、何も見ない。スマホも触らない。ただ、自分の頭の中だけで、さっきの問題と向き合い続ける。彼曰く、これを1問につき、短くて2〜3分、長いと10分くらいやるそうです。
「インストール」と「定着」は、別の作業だ
しかし、なぜこんなことをするのでしょうか。彼の説明が、すごくわかりやすかったので、そのまま紹介させてください。
「解説やノートを見ているときって、結局、情報を自分の頭にインストールしているだけなんですよね。でも、インストールする時間だけでは、頭はよくならないんです。インストールした情報を、ちゃんと自分の中に保存しなおすためには、その情報そのものと何も見ずに向き合う時間が、絶対に必要なんですよ」
これはかなり重要な指摘です。普通の場合、「頭が良くなっている瞬間」として思い浮かべるのは、教科書を読む時や参考書を読む時・授業のノートを読み返す時や問題集の解説を読む時でしょう。そして、読んでいる間はちゃんと頭は働いている感覚があります。「ふんふん、なるほど」と納得しながら進んでいく。だから、「自分は勉強している」と思えています。

