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ビジネス #7つの激変

PayPay誕生前夜「なんだ、このしょぼい技術は!?」LINEヤフー会長、川邊健太郎が中国で見た衝撃の光景

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前LINEヤフー会長の川邊健太郎さん
日本のキャッシュレス市場の覇権争い、そしてPayPay誕生のドラマをお届けします(撮影:尾形文繁)
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さらにすごかったのは、その仕組みです。クレジットカードが個人の与信をベースにしているのに対して、彼らのQRコード決済は、銀行口座と直接つながっていました。つまり、クレジットカードが発行できないような人でも、銀行口座さえ持っていれば、誰もがキャッシュレス決済の恩恵を受けられる、というわけです。

言ってみれば「しょぼい技術」と「しょぼい技術」の組み合わせ。でも、それが導入のハードルを大きく下げ、爆発的に普及したのです。

はたして、中国の滞在中、私が財布から現金を取り出すことは一度もありませんでした。

欧米や日本ほどクレジットカード決済が普及していなかったがゆえに、「しょぼい技術」と「しょぼい技術」の掛け算が、一足飛びの進化を遂げていたのです。その光景に、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。

日本が陥っていた「高機能・高コスト」の罠

「むちゃくちゃすごかったな。おばあちゃんの屋台までQRコード決済とは……」

中国で目の当たりにした「しょぼい技術」と、滞在中に財布を一度も取り出さなかったユーザー体験。その衝撃は、日本に戻ってきてからも脳裏にこびりついていました。

高度な技術にこだわり、いつの間にか「高機能・高コスト」という、日本のお家芸ともいえるイノベーションのジレンマに陥っていた日本のキャッシュレス決済市場。2017年当時の日本のキャッシュレス決済比率は21.3%(経済産業省調べ)と、国際的に見ても低調な水準でした。

すでに市場にはLINEが展開する「LINE Pay」や、EC大手の楽天グループの「楽天ペイ」といった、QRコードまたはバーコード決済のプレーヤーたちが一定のポジションを築いていました。でも、当時のヤフーでは「本命のいない、まったく勝負がついていない市場」と見ていました。

その停滞するキャッシュレス決済市場に、低機能・低コストの「超ローエンド」のQRコード決済で風穴を開けたい——そんな思いから2018年、新たなQRコード決済サービスが産声を上げました。ヤフーとソフトバンクのジョイントベンチャー(JV)によって誕生した「PayPay」です。

広大なフロンティアが広がる、未開拓のキャッシュレス市場。とはいえ、かなり遅れて殴り込みをかけるのですから、生半可な戦い方では勝ち目はありません。

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