日本では不適切使用や転売などで話題になっているGLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1薬)、例えばマンジャロやオゼンピックですが、アメリカではすでに「やせ薬問題」の段階を過ぎ、「病気の予防」や「健康寿命を延ばす薬」へと議論の中心が移り始めています。
成人の8人に1人が使用
2025年のKFF(Kaiser Family Foundation)の調査では、アメリカの成人の約8人に1人(12%)が現在使用していると回答したGLP-1薬。数年前まで「ハリウッドのセレブが使うやせ薬」というイメージが強かったのですが、今では職場にも、友人にも、家族にも、誰かしら使っている人がいる。そんな身近な存在になっています。
肥満大国でこの薬が急速に広がった背景には、「長年求められてきた肥満治療への期待」がありますが、それ以外にも「SNSによる情報拡散」「アメリカ特有の医薬品広告」「コロナ禍以降に急成長したオンライン診療」などの要因がありました。
その結果、GLP-1薬は単なる医薬品を超えた社会現象となったのです。
そもそもアメリカでは、「肥満とは何か」という定義そのものが変わりつつあります。

