そして火山の恩恵といえば温泉だ。フォルトゥナの町の道沿いには、大きなレストランを併設したホテルが多数並び、日本の温泉地を広大にしたような風景が広がっていた。その日はそのうちの一つの温泉に泊まり、食事と温泉を楽しんだ(ちなみに温泉では水着着用だ)。
そして翌日には早朝5時(日本時間20時)に仕事のウェビナーを配信し、朝風呂に入りチェックアウト。空港に戻り、次の目的地コロンビアに旅立った。
参考までに、コスタリカの物価水準は(寄ったのが観光地ということもあり)日本とあまり変わらなかった。どこでもカードが使えるので、両替は不要だった。食べ物は米や豆をベースとした料理が主で、名物料理は特にないのだが、さすが農業国、食材は豊富で美味しかった。
また、今回の旅行で話したドライバーたちは、外国人相手の観光業で稼ぎつつ、この仕事を楽しんでいた。以前料理人をしていたというドライバーは、仲良くなった旅行客を毎年自宅に招き、得意の料理でもてなすことを楽しそうに語っていた。
そして全員が「今はとても幸せ」だと話していたのが印象的だった。
軍隊なき国——国民が選び取った「積極的平和」
コスタリカは豊かな自然だけではなく、軍隊を持っていない国ということでも知られている。
いや日本も公式見解では、憲法9条があり軍隊は存在しないと言われるかもしれない。しかし実態としては自衛隊を持ち、防衛費も世界有数の規模に達している。コスタリカは違う。軍事費はゼロ、戦車も戦闘機も持っていないのだ。
そして、そんなコスタリカがあるのは、政情不安が続く中米だ。たとえば、北隣のニカラグアもそのすぐにあるエルサルバドルも長い内戦に苦しんだ。南隣のパナマも独裁政治が続き、1989年にはアメリカ軍に侵攻された。
そんなきな臭い中米の中で、コスタリカは80年近くにわたり、軍隊を持たずに民主主義国家を運営しているのだ。「中米の奇跡」と呼ばれることも多い。そしてこの「平和」は、外から与えられたものではない、国民が自ら積極的に選び取ってきたものなのだ。

