昨年の自民党総裁選挙や年明けの衆院選において、ライバル候補らを中傷する動画の作成・拡散に陣営関係者が関与していたとの疑惑で窮地に追い込まれている高市早苗首相。だが、ここにきて「逃げ切りに自信満々」(側近)との見方が広がっている。
疑惑追及の激しさが増す『週刊文春』の報道攻勢に、共同通信など他メディアも“新証拠”の発掘などで追随し始めたが、高市首相は「決定的証拠はないので、今国会での追及はかわせる」(同)と強気の姿勢を崩していない。
高市首相の“強気”の裏にあるもの
強気の背景はこうだ。
今国会で疑惑追及の主な舞台となるのは、6月下旬に予定されている衆参両院の予算委員会での集中審議と、会期末直前と見込まれる党首討論になる見通し。だが、高市首相はその前後にびっしりと首脳外交の日程を設定し、「国会より外交優先の構え」(自民党の国対担当者)を見せているのだ。
こうした状況も踏まえて、高市首相自身も首相官邸で記者団に対し、「私自身も私の事務所も、ほかの候補者の批判や中傷は一切やっていない」と繰り返したうえで、これまでの国会答弁は「揺るがない」と強調した。
これに対して、野党は「やましいことがないなら、秘書ら関係者に国会で説明させるべきだ」(共産党幹部)として、疑惑に絡んでいるとされる公設第一秘書らの国会招致を要求している。
しかし、与党は衆院での圧倒的多数を背景に野党要求を拒否する構えだ。「よほどのことがない限り、1カ月余りとなった今国会の会期末まで状況は変わらない」(自民党の国対担当者)というのが実態だ。
