本来明かしてはいけない個人情報だけに、与野党の別なく「頭がおかしくなったのか」(共産党幹部)などの声があふれるなど、高市首相の答弁の不自然さをさらに際立たせる結果となった。
高市首相の一連の答弁で一貫しているのは、「文春との直接対決」を避けようとする姿勢だ。野党側は繰り返し、「事実と異なるなら文春に抗議するなり、訴訟を起こすなり、何らか対抗措置をとるべきだ」と詰め寄ったが、首相は「私は国家経営に取り組んでいる。そういうことに時間を使っている暇はない」と反論した。
これに対し、自民党内からも「高市流の明快さがまったくなく、こんな逃げの答弁を続けると、国民に見放される」(閣僚経験者)との指摘が相次ぐ。
ただ、直近の各種世論調査では、多くで高支持率が続いているのも事実。「そのこと自体が高市首相の強気につながっている」(自民党幹部)ことは間違いなさそうだ。
“外交三昧”で会期末まで逃げ切り狙う
その高市首相は13日から首脳外交に専念する。まずイギリス、イタリア、フランスを歴訪し、G7サミット(15~17日)の出席を経て、帰国するのは18日だ。さらに、7月初旬にはインドを訪問するのに続いて、6日からトルコを訪問。7日には、同国で開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席する。
こうしてみると、今国会の会期末である7月17日までの多くの日程を高市首相は“外交三昧”で過ごし、その間の国内政局はかすむことになりそうだ。
しかし、多くの政界関係者は今回の疑惑について「国会が終われば一件落着、という話ではない。いくら強気でも、政権が続く限り、アリ地獄のように高市首相を奈落の底に引きずり込む可能性は大きい」(自民党長老)と首を傾げる。「中傷動画」をめぐる駆け引きは、なかなか先行きが見通せない。
