そんな家庭で育った結果、筆者とひとつ上の兄は2人そろって毒親から逃げ出すこととなった。だが、毒親育ちの人ならわかってくれる通り、親との関係を絶つのは決して簡単ではない。吉本ばななさんもそうだったが、被虐待児の多くは人一倍「親に認められたい」という欲があるからだ。
承認されたくて、愛されたくてたまらないのに離れてしまったら一生それが叶わなくなる。親を切り捨てた先にある身軽で明るい人生をかなぐり捨ててでも、親にしがみついて認められたいと思ってしまう……。
筆者もずいぶんこの感情に苦しめられた。「こうすれば愛してもらえるのではないか」「産まなければ良かったと言ったことを謝ってもらえるのではないか」そんな希望がずっと捨てられなかったのだ。
何度裏切られて傷つき続けても、親を見捨てて逃げるという選択をできるのは、きっとほんのひと握りの人だけだろう。私たちは、親から愛される人間になりたいのだから……。
執着を断ち切り、毒親から逃げ出すための3つの方法
愛されたくて親との縁を切れなかった筆者だが、結果的に3年前に絶縁を果たした。そんな筆者が考える、被虐待児から見て現実的な毒親から逃げる方法を3つ紹介する。
2. 自立できるまで耐え続けて消える
3. 周囲の人に助けてもらう
1.自ら福祉を頼る
まず多くの人が想像する通り、「福祉を頼る」という選択肢がある。このとき、毒親そのものを福祉につなげるのは難しい。あくまで筆者のケースではあるが、毒親は「自分のことをまともな人間」だと思っている。福祉を頼る必要もなければ、つながる意味もわからない。つまり、福祉とのつながりを拒否するのだ。
人を変えようとしても無理なものは無理なので、あくまで「自分」を主体として福祉に頼るほかないだろう。
では、被虐待児はどうすれば良いのか。電話やネットから「自分で児相に相談する」のだ。よほど酷いケースであれば、保護してもらえる確率が高いはずだ。もし保護が困難でも、現状を親戚に相談し、家庭から抜け出すための手助けをしてもらえるかもしれない。
……とはいえ、絶対に本人が望んだ形で助けてもらえるとは限らない。きょうだいがいれば、バラバラの施設に送られて気軽に会えなくなるかもしれない。学校も転校になり、友人とも離れ離れになるだろう。
実際、筆者はあまりにも家庭環境が苦しかった高校時代に自分で電話したことがある。だが、家にいられなくなる恐怖やこれを知った親の反応を想像して、相談先の番号を着信拒否してしまった。福祉を頼るという選択は、決して手軽にできるものではないのだ。
「福祉を頼る」ことは誰もが真っ先に挙げる選択肢とはいえ、実際に選べる人は少ないのではないだろうか。
