現在、同社が行うのは「本当に欲しい人」への訴求だ。取材の間もカナダ人や日本人が入れ替わり訪れて、商品説明を聞きながらビニール傘を購入していった。
日本の職人の技術と雇用を守りたい
「当社の傘を1本仕上げるためには、骨、手元(持ち手)、ビニール素材、細かい金具にいたるまで、たくさんの国内の部品企業や職人さんたちが関わっています。うちは純国産にこだわるので、その人たちと共存共栄していきたい」
そう話す須藤氏が例として上げるのが、展示会で人気を呼ぶ伝統工芸「江戸切子」だ。
「雨の日に、お気に入りの服を着て歩くとき、大切な人と会うときには、『ホワイトローズの透明な傘で出かけたい』と言っていただきたい。お酒を飲むときに愛される江戸切子のように、人の愛着とともに生きる”作品”として、次の世代へ繋いでいきたいですね」
積極的に修理に応じるのも「一生もの」として使ってほしいからだ。現在は長い傘であれば2000円、折りたたみ傘は4000円(+各送料1100円=取材時の価格)という、手間を考えれば赤字同然の価格で、全国からビニールの張り替え修理を受け付けている。
最近は「日傘」(晴雨兼用日傘)も販売しており、積極的な商品開発の姿勢は変わらない。
300年企業が活路を見出した「ワケあって高い」傘は、使う人の愛着も背負っている。

