多くのビジネスパーソン、特に日々過酷な意思決定を迫られる経営者やリーダー層にとって、香道を学ぶことはどのような意義があるのだろうか。
宗苾氏は、資本主義社会がもたらした飽和と、その先にある精神的飢餓を次のように分析する。
「巨万の富を築き、贅の限りを尽くしたとしても、その満足感は刹那にすぎません。手に入れた瞬間に輝きを失い、また次の刺激を追い求める。それは終わりのない乾きです。かつてスティーブ・ジョブズが禅の世界に没頭したように、今、世界のトップリーダーたちは物質の向こう側にある『真の豊かさ』へと回帰しています。目に見える贅沢を消費するのではなく、目に見えない香りの中に己を凝縮させる。その静謐な時間こそが、魂を真に解放するのではないでしょうか」
ジョブズ氏の妻であるローレン・パウエル・ジョブズ氏も、昨年、宗苾氏の元を訪れ、真剣な眼差しで香を聞いていったという。
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