東洋経済オンラインとは
ライフ

丸亀製麺、はなまるうどんに大胆殴り込みだ…「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」の会社が始めた「もっちりうどん店」の"凄さ"

11分で読める
「肉讃岐 もっちりうどん源次郎」店舗外観
「肉讃岐 もっちりうどん源次郎」。なぜ「讃岐」の前に「肉」がつくのか(写真:筆者撮影)
  • 鈴木 恵美 外食・小売に強いプロ広報/初代プレスリリースエバンジェリスト
2/5 PAGES
3/5 PAGES

源次郎は単なる新店ではない。物語コーポレーションの中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」は「次の成長の柱である新規事業を育成、郊外型フォーマットの展開拡大」と明記している。

中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」および 中期3カ年経営計画(2026年~2028年6月期)より

統合報告書2025でも「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」を中心に据え、「開発力」を軸とした成長戦略を詳述している。

公式リリースも「今後も新たなフォーマットを持つ業態を開発することでイノベーションを起こし、さらなる事業成長を目指す」と結んでいる。源次郎はその文脈に置かれた業態として読む必要がある。

中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」および 中期3カ年経営計画(2026年~2028年6月期)より

うどん文化と食感の再編集競争

源次郎を理解するには、いまのうどん市場で何が起きているかを先に見ておく必要がある。

丸亀製麺が、讃岐うどんの「コシ」を全国的に身近なものにした後、各社は次の差別化として食感そのものを再編集し始めている。その動きが、うどん市場に別の価値軸を持ち込みつつある。

丸亀製麺は「手づくり・できたて」や、製麺所の臨場感、全店在籍の麺職人による体験設計を打ち出し、2026年3月期の丸亀製麺事業では売上収益・事業利益が過去最高を更新した。既存店売上高も前年比平均104.5%で推移している。一方、すかいらーくホールディングス傘下の資さんうどんは、公式が「表面はなめらかで中はもちもち」と説明する北九州系の食感を武器に全国へ出店を広げ、2026年5月時点で1都2府16県に100店以上を展開している。看板の「肉ごぼ天うどん」について資さんは「北九州を越え、日本中の多くのお客様に愛される資さんの顔」と説明する。

この構図を食感で整理するとこうなる。

(画像:筆者作成)

源次郎の「もっちり」は、この構図の中で独特の位置に立つ。文化としては讃岐を借りながら、食感としてはコシ一辺倒ではなく、もっちり感やなめらかさを前面に出している。公式リリースによれば、うどん専用小麦を使い、温度の異なる熟成庫による2段熟成と、特注圧力釜茹でによって、独自のもっちり食感を実現しているという。これは単なる差別化ではなく、「讃岐の再定義」として読める。

メニューブックでは、二段熟成や圧力釜茹で、だしへのこだわりが説明されている。「もっちり」を商品価値として前面に出している(写真:筆者撮影)
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象