1955年、東京通信工業(現ソニーグループ)は国産初のトランジスタラジオ「TR-55」を発売した。乾電池式でポケットに入れてどこへでも持ち運べ、若者にも買える値段のTR-55は音楽の楽しみ方を変えた。最も恩恵を受けたのはエルヴィス・プレスリーかもしれない。アメリカの若者たちは、ソニーのトランジスタラジオから流れるエルヴィスのロックンロールに熱狂した。
TR-55の登場で、ラジオは一気にパーソナル化した。「革新的なハードウェアはエンターテインメントを変える」。ソニーは創業10年目にして、この法則を学習した。
68年10月にトリニトロン方式の小型カラーテレビ「KV-1310」を発売したとき、希代のマーケターである創業者の盛田昭夫や、盛田に請われてソニーに入社した東京芸術大学出身の声楽家、大賀典雄が「トリニトロンでもTR-55と同じ変化が起きる」と予感したとしても不思議はない。
アイドルブームはナベプロとの合作
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