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ビジネス #新約ソニー

盛田昭夫が才を見出した生まれながらの王様「ボーン・キング」こと大賀典雄、ソニーを世界に飛躍させたもの

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映画フィルムとCDのイラスト
(イラスト 竹田嘉文)

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四半世紀にわたる“受難の時”を経て復活を果たしたソニー。だが、かつての「エレキのソニー」と今の「エンタメのソニー」とではまるで別の会社だ。神話に彩られたカリスマ創業世代なきあと、普通の「人々」はいかにエンタメのソニーを築き上げたのか。その転換点に迫る群像劇。
四半世紀にわたる“受難の時”を経て復活を果たしたソニー。だが、かつての「エレキのソニー」と今の「エンタメのソニー」とではまるで別の会社だ。神話に彩られたカリスマ創業世代なきあと、普通の「人々」はいかにエンタメのソニーを築き上げたのか。その転換点に迫る群像劇。

2016年、一人の大物アーティストがユニバーサルミュージックからソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)傘下のソニー・ミュージックレーベルズに移籍した。

米津玄師。

徳島県で過ごした高校時代、ボーカロイド(パソコンで歌声を合成できるソフト)の曲を「ハチ」の名義でネットに上げていた少年は、13年にユニバーサルからメジャーデビュー。15年に3枚目のアルバム『Bremen』が日本レコード大賞の「優秀アルバム賞」に選ばれるなど順調にキャリアを重ねた。

そんな米津にSMEは、ソニーグループが持つあらゆる機能を使って「作品に社会的な広がりを持たせる」ことを提案した。提案に魅力を感じた米津は移籍を決意。米津のための専門チームをつくったSMEが展開したのは大胆なタイアップ戦略だった。

石原さとみ主演のテレビドラマ『アンナチュラル』の主題歌『Lemon』は、Billboard JAPAN「Hot 100」で18年、19年と2年連続の年間1位に輝いた。NHKの「2020年応援ソング」プロジェクトに採用された小中学生5人のユニット「Foorin(フーリン)」の『パプリカ』も米津がプロデュースし、そのダンスは社会現象を巻き起こした。

その後も、米津はアニメや映画の主題歌を次々と生み出す。23年には人気ゲーム『ファイナルファンタジー16』のテーマソングを手がけ、24年にはNHK連続テレビ小説『虎に翼』の主題歌『さよーならまたいつか!』で世代を超える人気と知名度を獲得した。

ドラマ、アニメ、映画、ゲーム。SMEの米津専属チームはグループのあらゆるプラットフォームを使って「米津」という才能を社会に浸透させていった。YOASOBI、Creepy Nutsも同じ方程式で世界に影響力を広げている。音楽業界で独り勝ちを続けるソニーの底力の一端がここにある。

いわば「タレントと時代のシンクロナイズ(同調)」。それをソニーで最初にやったのがCBS・ソニーレコード社長時代の大賀典雄(後のソニー社長)である。

後発のソニーが考え出した「アイドル路線」

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