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「嫌なら出ていけ」継父に怒鳴られた夜、もっと傷ついたのは母の言葉だった…"母の夫"と3人で暮らし始めた子どもの本音

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きむらさん
継父を“お父さん”と呼ぶのは「無理」。そこにはどんな思いがあったのか……(写真:編集部撮影)
  • 大塚 玲子 ノンフィクションライター
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「いや、ムリ」。言われた瞬間そう思いましたが、ひとみさんは気を遣って、「ああ……」と答えて黙り込みました。母親はいったん引き下がりましたが、その後も「お父さんと呼んだら?」と言ってきたことが、高校の間に2~3回はあったとか。

ひとみさんは、なぜその人を「お父さん」と呼ぶのが嫌だったのでしょうか。

「やっぱり“お父さんではない”というのが一番ですかね。それに、私は父親と距離感が近すぎてすごく嫌だったので、そういうのはもうこりごりというのもあった。

母のことは“お母さん”と呼んでいましたけど、母と比べて、おっちゃんはすごく距離が遠い。なのに、なんで似たような呼び方をしなきゃいけないのか、という思いもあったかもしれません」

継父よりも嫌だったのは母

そんなある日、ちょっとした事件が起きました。

高校の部活の帰り、ひとみさんは友達とのおしゃべりに夢中になり、門限の時間にだいぶ遅れてしまったのです。急いで帰りましたが、かなり心配していたらしく、おっちゃんは「遅い」などとまくし立て、「そんなにこの家が嫌なら出ていけ!」と、ひとみさんを怒鳴りつけました。

「おっちゃんも嫌だったけど、もっと嫌だったのは母です。怒鳴られたあと、ちょっと落ち着いたときの、母のおっちゃんの肩をもつような言葉のほうがグサッときた。『そこで私の味方しないんだ、おっちゃんの肩もつんだ』というショックのほうが大きかった」

このとき、ひとみさんはお母さんに、本当はどうしてほしかったのでしょう。

「おっちゃんは私にとって、あくまで“母にくっついている大人”なので、その人に帰りが遅いのを怒られても……。私に関することは、おっちゃんじゃなくて母に一番に言ってほしかったですね」

継親に怒られるのが耐えがたかった、という子どもの話を、筆者はこれまでもときどき聞いてきましたが、ひとみさんも同様だったのでしょう。

この一件を機に、「大学に入って、家を出たい」と強く決意したひとみさん。受験勉強に力を注ぎ、その後無事、家から離れた大学に合格して一人暮らしを始めました。

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