母親やおっちゃんに対する見方が変わり始めたのは、大学の学生相談に行ったのがきっかけでした。
最初は、父親に追いかけられる悪夢を見るようになって相談をしたのですが、あるとき、おっちゃんから「出ていけ」と言われた話をしたら、カウンセラーがさらりと「向こうも、どうしていいかわからなかったろうしね」と口にしたのです。
「目からウロコが落ちたようでした。それで初めて、おっちゃんはおっちゃんで難しかったんだろうな、と気づいた。何を話していいかわからないのは向こうも同じだったんですね。おっちゃん、(子どもから見ると)しっかりしていそうなので、思ってもみなかったです」
ギクシャク家族からふんわり家族へ
それ以来、ひとみさんのなかで、少しずつ自分の家庭環境についての受け止め方が変化していきました。
その後ひとみさんは、親の再婚を経験した子どもをテーマに卒論を書こうと決め、調査を始めます。自分と同じ継子の立場の人に話を聞いたり、海外の論文を読んだりするうちに、「私が感じてきたことは“間違い”じゃなかったんだ」と感じるようになったそう。
「継親が“親”になろうとすると子どもの抵抗感が強くなる、という話を聞いたときは、わかるなと思いました。私が感じてきたことの“後ろ盾を得た”みたい感覚です。おっちゃんのことを“お父さん”と呼ばない自分が『オッケー』になりました」
また、子どものなかには継親を“本当の親”と感じている人もいれば、ずっと気まずさを感じている人もいるのを知り、「いろんな形があるんだな、なんでもいいんだな」と思えるようになったとか。
今ではおっちゃんのことを「ふんわりとだけど、家族」と思っているという、ひとみさん。多少の気まずさは残っていても、「ムリしなくていい」と思えるようになったということです。
