サラダが運ばれてくると、定番の和風しょうゆをはじめ、フレンチ、うま塩、うめの計4種類のドレッシングが卓上に並ぶ。サラダはおかわり自由のため、それぞれを食べ比べながら楽しめる。先ほど、丁寧な製法を見ていたため、こだわりも相まっておいしく感じてくる。店内を見渡すと、食事後もすぐに席を立つ客ばかりではない。ゆったりと会話を楽しむ姿が目立つ。
会計時には、その体験が次の購買へとつながる。レジ横の物販コーナーには、各種ドレッシングやパスタソース、スープなどが所狭しと並ぶ。映像や食事体験を通じて購買意欲を高め、商品販売へと結び付けているのだ。店舗スタッフによると、「食事をした人の2割程度が商品も買ってくれる」という。
商品のショールームである店舗
ピエトロのレストランは、もはや単なる飲食店ではない。商品のショールームであり、ファンづくりの拠点でもある。同社ではこれを「テーブルマーケティング」と呼ぶ。レストランで流通商品を試し、自分のお気に入りを見つけてもらう取り組みだ。
その成果は数字にも表れている。レストランでの物販売上高は2023年3月期の6300万円から、26年3月期には1億3000万円へと倍増した。定価販売にもかかわらず購入が伸びているのは、ブランド体験を通じて価値を実感してもらっているためだ。
背景にあるのが、ピエトロが20年から導入したファンベース経営である。ファンベースとは、ファンとの関係を深め、その声を事業運営に生かしながら中長期的な企業価値向上を目指す考え方だ。近年、多くの企業が取り入れている。
ピエトロにとってその中心に据えられたのがレストランだ。レストランそのものをファンと自分たちをつなぐ場として再定義した。
