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難病「抗NMDA受容体脳炎」後遺症と治療費で《元の人生には戻れない》絶望の淵にいた彼女が劇的な回復で"取り戻した人生"

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ICUに搬送され昏睡状態が続いたAさん
ICUに搬送され昏睡状態が続いたAさん(写真:Aさん提供)
  • 杉井 亜希 フリーランスライター/イラストレーター
  • 舛森 悠 総合診療医

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4年制大学を卒業し、新卒で一般企業に入社したAさんは、23歳という若さで自己免疫性脳炎の一種である非常に稀な疾患『抗NMDA受容体脳炎』を発症。1カ月以上も昏睡状態となり、生死をさまよった。
回復の兆しがなかなか見られず、Aさんの家族はやむを得ず彼女の将来的な妊娠機能への影響が示唆される薬剤を用いた、抗がん剤投与による治療を承諾。
いよいよ投与が始まろうとしていた2012年8月19日。Aさんは奇跡的に意識を回復した。
【前編】「頭を抱え絶叫し、激しく痙攣」まるで『エクソシスト』の悪魔憑き?"抗NMDA受容体脳炎" 発症した23歳の絶望と葛藤

「なぜ私の意識が戻ったのか、今でも理由はわかっていません。でも家族とは、子どもを産めなくなるのが本当に嫌だったのかもね、なんて話しています」

目覚めたとき、Aさんの身体はたくさんの管につながれ、手も拘束されていた。気管切開されているため、声も出せない。頭の中は真っ白だったという。

「目覚めた直後、自分が誰なのかが本当にわからなかった。天国に行ってしまったのかと思いました。でも、慌てて病室に入ってきた家族の顔を見て、あぁ、そういえば私はAだったなって、少しずつ理解していきました」

「不安に押し潰されそう」意識回復も新たな苦しみが…

ICUに搬送され、昏睡状態が続いていたときのAさん(写真:Aさん提供)

意識がはっきりしてくると、いろいろな感情が湧いてくる。だけど喋れないし動けない。全然伝わらない。それがつらかった。

「自分がこれからどうなるのかわからないまま、ただ時間だけが過ぎていく。何もせずに時間を過ごすことがとにかくつらかったです。毎日ひたすら同じ天井を見ながら、不安に押し潰されそうになりました」

1カ月ほど経ち、ようやく気管切開を閉じる処置が行われた。そこから、筆談、発声、食事、歩行と、Aさんのリハビリが始まった。

「最初の頃のリハビリは、ベッドの上で四つ這いの姿勢を保つだけ。それだけで、周囲の人たちが、すごいね!できたね!って言うんです。

24歳でハイハイみたいな姿勢をして、周りの大人に褒められるなんて……。自分は赤ちゃんに戻っちゃったんだ、なんて思っていました。今思えば、かなり卑屈ですね(笑)」

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