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難病「抗NMDA受容体脳炎」後遺症と治療費で《元の人生には戻れない》絶望の淵にいた彼女が劇的な回復で"取り戻した人生"

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ICUに搬送され昏睡状態が続いたAさん
ICUに搬送され昏睡状態が続いたAさん(写真:Aさん提供)
  • 杉井 亜希 フリーランスライター/イラストレーター
  • 舛森 悠 総合診療医
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現在Aさんは結婚し、2児の母となった。夢の仕事に就いただけでなく、幼い頃からの夢であった“お母さん”という存在になることを叶えたのだ。

病気に対する支援には“まだ課題がある”

「母になる」という夢を実現した現在のAさん(写真:Aさん提供)

近年『8年越しの花嫁 奇跡の実話』や『彼女が目覚めるその日まで』など、この病気をテーマにした映画も制作され、「抗NMDA受容体脳炎」の認知度は徐々に高まっている。

だがAさんは、それだけではまだ十分ではないと感じている。

「『抗NMDA受容体脳炎』は初動が早ければ早いほど回復が早く、後遺症も残りにくい。でも、この病気特有の異常行動のせいで、メンタル面の不調が疑われて精神科に連れていかれる人も少なくない。結果、発見が遅れて重症化してしまうケースも多いんです」

それを防ぐには、やはり病気の認知を高めることが重要だとAさんは言う。

「認知だけでなく、病気に対する国の支援にも課題があると感じています。『抗NMDA受容体脳炎』は難病指定されていないため、当事者や家族の治療費の金銭的負担、それに伴う精神的負担がとても大きい。10年単位で入院生活を強いられる人もいる、退院後も長く後遺症に苦しむ人がいるということが明らかになってる病気だからこそ、もっと国のサポートがあればいいのに……と思います」

現在においてもこの病気は指定難病の対象にはなっておらず、急性期を乗り越えた後の医療費や生活面での支援が大きな課題として残っている。

「『抗NMDA受容体脳炎』に限らず、退院後も長期的なサポートが必要な病気は知られていないだけで数多くあります。難病指定が難しいのであれば、第2の難病指定のような、別の支援制度を確立することも必要なんじゃないでしょうか。少しでも病気に苦しむ当事者とその家族の負担が軽減されるような世の中になることを願っています」

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