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出光興産・酒井社長が語る「ホルムズ海峡封鎖の衝撃」 新中計では製油所閉鎖方針を撤回、化石燃料への投資強化を宣言

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ホルムズ海峡封鎖という前代未聞の事態に、酒井社長はどのような手を打つのか(撮影:尾形文繁)

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ホルムズ海峡の実質封鎖から3カ月が経過した。同海峡は日本が輸入する原油の8~9割が通過するエネルギーの要衝で、封鎖の影響は甚大だ。4月は需要の約75%もの原油を日本国内での備蓄を取り崩しでしのいだ。ただ、その後は元売り各社の代替調達が進展。北米産原油やホルムズ海峡を通らないルートでの中東産原油の確保が進み、6月の備蓄取り崩しは需要量の2割程度に抑えられる見込みだ。4月末には出光興産の「出光丸」が国内の原油タンカーとして初めてホルムズ海峡を通過するという朗報もあった。
ただ先行きの不透明さは変わらない。業界団体や元売り企業の幹部は「継続的に原油調達先を多角化すべきだ」と主張する。これまでになく中東リスクが顕在化し、エネルギー安全保障へ注目が集まる中、出光はどこに向かうのか。酒井則明社長に聞いた。

――2月のアメリカ・イスラエルによるイランへの攻撃で、ホルムズ海峡が封鎖されました。世界に大きな衝撃を与えましたが、酒井社長は当初どう受け止めましたか。

正直に言って、この事態は予想できていなかった。もちろん、緊張が高まっていることは認識していた。実は開戦の1週間ほど前にも、私は中東を訪問していた。産油国の方々や当社の駐在員とも話をしていたが、当時、特別な危機感を覚えることはなかった。

ところが、ホルムズ海峡の封鎖という最悪の事態が実際に起きてしまった。とにかく全世界の原油を徹底してかき集めるよう、東京、シンガポール、アメリカ、オーストラリアの調達部隊に指示を出した。国家備蓄の迅速な放出もあり、ホルムズ海峡を通らない原油で何とか海峡封鎖前の水準に近い量を確保できている。

――ホルムズ海峡経由に原油輸入の8~9割を依存することのリスクが顕在化しました。北米産や中南米産の代替調達を進めていますが、今後は原油調達の多角化など、見直しが必要ではありませんか。

エネルギー安全保障のため、中東依存度の引き下げについても議論は行われるべきだ。ただ、それだけでは駄目だ。多角化すればいい、という短絡的な問題ではないことは強調したい。

例えば分散先がアメリカのような友好国であったとしても、バイデン前政権と第2次トランプ政権とではエネルギーの開発、輸出に対するスタンスはまったく異なる。もし中東域外の国から継続的に調達するのであれば、その国との関係構築が不可欠だ。

国家間の関係を築き上げていくのには時間がかかる。官民ともに良好な関係にある中東地域、ホルムズ海峡経由の中東産原油が日本のエネルギー安全保障に重要であることは変わらない。

酒井則明(さかい・のりあき) 1961年生まれ。85年神戸大学法学部卒業、当社入社。徳山製油所副所長、経理部長、最高 財務責任者を経て2021年に取締役、25年から現職(撮影:尾形文繁)

製油所閉鎖は撤回、操業維持投資は3割増

――本決算と併せ、2026~30年度の5カ年計画を公表しました。30年度税引き前利益目標を3600億円(25年度実績は日本基準で約2400億円)に引き上げる野心的な計画もさることながら、既存事業、とくに燃料事業への投資を大幅に増やすことが印象的です。

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