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クレディセゾン・水野社長が目指す「平均年収1000万円」 一律120万円の決算賞与で士気に火をつける社員還元策の成算

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クレディセゾンでは社員の待遇改善を成長戦略の起点に据えている(撮影:尾形文繁)

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クレジットカード大手のクレディセゾンが、社員への大胆な還元策に踏み出している。今年の決算賞与は全社員一律120万円。通常の賞与と合わせると、平均賞与は1人当たり180万円程度に達する見通しだ。さらには2030年度までに社員の平均年収を1000万円に引き上げる構想も掲げる。その実現に向けてカギを握るのが、AIを駆使した生産性向上と、国内外での収益拡大だ。社員の処遇改善を成長戦略の起点に据える水野克己社長に、稼ぐ組織への変革と今後の成長戦略を聞いた。

――22年度から通常の賞与とは別に「業績連動型賞与」(決算賞与)を導入し、昨年は全社員一律約100万円の支給が大きな話題になりました。25年度決算を踏まえた今年の支給額は決まりましたか。

今年は、全社員に一律120万円を現金支給する。

当社は22年度決算から業績に連動した決算賞与を導入しており、昨年は97.8万円を全社員に一律で支給した。そのうちの49.4万円が、ファントムストック(株価連動報酬制度)に基づく現金支給だった。

25年度決算は、現中期経営計画で掲げた連結事業利益1000億円目標を1年前倒しで達成できたので、今年の支給額には特別賞与として38.4万円を加算した。25年度は通常賞与の支給額が平均で約60万円だったので、決算賞与を合わせた総賞与額は1人当たり平均180万円程度になる計算だ。

変化した社員の「やる気」

――決算賞与を導入した狙いを教えてください。

狙いは大きく2つある。1つは、業績に対する社員の関心を飛躍的に高めること。もう1つは、ファントムストックの導入によって株価を意識してもらうことだ。

実際に、効果は大きかった。これまでひとごとになりがちだった会社全体の業績やグループの成果に対し、社員一人ひとりが「貢献しなければならない」という意識をかなり強く持つようになっている。連結事業利益1000億円を1年前倒しで達成できるほど稼ぐ力がついた原動力の1つに、決算賞与があることは間違いない。

水野克己/みずの・かつみ 1969年生まれ、北海道出身。92年北星学園大学経済学部卒業、クレディセゾン入社。セゾンカード部長、営業企画部長、海外事業部長などを経て、2016年常務、20年専務。21年から代表取締役兼社長執行役員COO(撮影:尾形文繁)

――30年度に、社員の平均年収を1000万円に引き上げる方針を掲げています。

昨年の年頭所感で、当社の林野宏会長が「平均年収を1000万円にしたい」と話した。そこから1000万円を本気で目指すことを考え、報酬などの制度設計について人事部と議論を進めている。

私も、今年の決算賞与を発表した先日の全社集会で、「平均年収1000万円を目指す」と伝えた。ベースアップが長年停滞していたこともあり、年収拡大に向けた社員の士気を感じている。

AIで生産性を引き上げる

――人件費を引き上げるには、収益力の強化が欠かせません。

もちろんだ。25年度の当社の平均年収は666万円だった。これを30年度に1000万円にする場合、どれほどの人件費がかかるのかを計算し、そこから逆算して、この費用を賄うために必要な体力をつけていく。

まず重要なのは生産性の向上だ。当社は4年連続で「DX銘柄」に選ばれており、昨年9月にはAIを前提に全社員の業務を再設計する「CSAX戦略」もスタートさせた。すでにAIの利用浸透率は90%程度に達し、ビジネスの戦略意思決定会議に使われる資料も95〜98%程度はAIで作成されたものだ。精度が高く、意思決定を行ううえで支障はない。

コールセンターも28年のAI化に向けて取り組みを進めている。古い音声基盤のままではオペレーションがうまく回らないので、今秋に音声基盤を更改し、AI前提のインフラに変えていく。ほかの業務のインフラもAIネイティブな形に大胆に変革する。

――AI活用が進むと、今ほどの人員は必要なくなるのでは。

AI活用と人員削減はイコールではない。やるべき仕事をAIと人とで明確に分けており、効率的に生み出された時間は「顧客に向けてほしい」と伝えている。

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