同クラブの発足は2024年のこと。それまであった中学の合唱部を、地域のクラブ活動へと移行してできたものだ。一時は部員数も3人まで減少し、廃部寸前だった合唱部だが、隣の原村と合同のクラブとして再編成、復活を果たしたという。
部活動の地域移行をどう進めるか
この日、後輩の指導サポートに来ていた卒業生の石川真優さん(大学生)に話を聞くと彼女が中学生だった当時、メンバーたちの合唱に対する気持ちには温度差もあったようだ。
自分のペースで楽しみたい生徒から、レベルの高い合唱に取り組みたい生徒まで、部活に対する思いに違いが見られたという。
「マイペースに取り組みたい」生徒と「本格的に取り組みたい」と思いう生徒。この両者が納得のいく形で部を進めるのは難しい。顧問は毎年、中学の教員が担っていたが、合唱の指導経験がある人が顧問になるとも限らない。
当時の顧問は合唱の指導経験はなく、顧問としてできる限りのことはしていたようだが、専門的な指導は難しかった。そんな折、持ち上がってきたのが部活動地域移行の話だ。国が進める部活動の地域移行に向けて、町内でも本格的な検討が始められていく。
部活動の地域移行が進められている背景には、少子化と、教員の長時間労働という2つの問題があった。富士見町のように、少子化によって生徒数が減少傾向にある自治体は多く、学校単位では部活動を維持することが難しくなる学校は全国に広がっている。
また、専門的な指導ができる教員の確保が難しいという問題もあり、従来の「学校単独で部活動を支える仕組み」は限界を迎えつつあったのだ。
さらに、部活動は教員の長時間労働の一因とも指摘されてきた。授業や校務に加え、放課後や休日の指導、大会引率まで担うことが多く、教員の負担は大きくなる。
こうした状況を改善するため、国は教員の働き方改革の一環として、学校中心だった部活動を地域へと移行し、地域クラブや外部指導者が担う体制づくりを全国で進めていこうとしている。
富士見町では2023年12月に教員や外部指導者に対して部活動地域移行に関するアンケート調査を実施、指導にやりがいを感じる人が60%いる一方で、指導に負担を感じると回答した人も60%に上った。
