また、こんな話をする人もいた。
「クロスポイントの例のタワマンは民泊禁止なんですよ。でもね、やっぱりやってる人はいるみたいなんです。
でっかいキャリーケースを持った人たちが、タワマンの裏のほうに行くから何してるんだろうって見てたら、タワマンの裏にある建物の雨樋(あまどい)にぶら下がってる黒いキーボックスから鍵を取り出して、それを持ってタワマンに入って行ったんですよ」
大山を歩いて考えたこと
ビル風にしても、民泊にしても、タワマンのあるところではよく聞かれる話だ。話をしてくれた住民も「まさか大山でもこんな問題が持ち上がるなんて思ってもなかった」と、小さく息を吐いた。
街を歩いた私自身の印象は少し複雑で、タワマンが一方的に悪というわけでもない。実際、人口減少や防災、駅前機能の更新を考えれば、高層化や再開発が必要になる場面もあるだろう。ただ、大山で見えてきたのは、そうした一般論だけでは片づかない現実だ。
道路整備を出発点にしたはずの計画が、いつの間にかタワマン建設を前提にした話へとすり替わり、その過程で街や住民が失ったものと得たものが、実ははっきりしていない。
ハッピーロード大山商店街の一連の出来事で問われているのは、タワマンの是非そのものではなく、街を変える手続きが、そこで暮らしてきた人たちに対して誠実だったのかどうか、ということなのかもしれない。
