もう1つの特徴はエンジンだ。こちらもオリジナルを意識したのだろう。フォードの5リッターV8エンジンを搭載している。
チューンは3種。標準仕様は456ps(335kW)で、その上にスーパーチャージャー付きの730ps(537kW)と、さらに高性能の810ps(595kW)仕様が用意される。
なにより、コブラGTクーペで興味深いことがある。クルマとしてのあり方だ。
例えばパワートレイン。5リッターV8エンジンは、「コヨーテ」なる愛称をもって「マスタング」や「F-150トラック」に搭載されているユニットだ。
あえてV8エンジンにこだわるワケ
欧州製のスポーツカーなら、効率のよい小排気量エンジンとかプラグインハイブリッド、あるいはバッテリー駆動モーターなどが考えられる。
私だったら、BMWに直列6気筒エンジンを都合してもらうよう、交渉に行くかもしれない。が、ACカーズは、あえてデカいV8にこだわっている。理由はいくつか考えられる。
1つは、アメリカ市場でウケそうなこと。もう1つは、ACコブラの名前と結びついて、ユーザーのノスタルジアを刺激できそうなこと。
さらに、大トルクと後輪駆動方式という組み合わせによるドライブの面白さも、挙げられるだろうか。
昨今のスーパースポーツカーをめぐる状況を見ていると、上記のACカーズの選択の背景には思いあたるフシもある。
排出ガス規制をクリアし、同時により大きな出力を得るため、ハイブリッド化するケースが増えている。
実際にドライブすると、加速のよさ、静粛性、そして燃費と、ハイブリッド化の恩恵は多い。同様のことは、スーパースポーツでも感じられる。
一方で、市場はハイブリッド化されたクルマの価値を低く見積もりがちだ。下取り額も予想外に低いとか。
教条主義と呼んでは言葉が過ぎるかもしれないが、そんな中であえてハイブリッド化に背を向ける小メーカーもある。実際に市場の反応はよいようだ。
昔のポルシェ「911」を使ってレストモッド(レストア+現代的にモディフィケーション)を手がけるシンガーやギュンターワークスはその一例で、富裕層のユーザーからの評価が高い。
