では、どうすればよいのでしょうか?
重要なのは、「厳しいことを言わない管理職」を増やすことではありません。“耳の痛いことでも、相手の成長のために伝えられる管理職”を育てることです。
「嫌われたくないマネジメント」の限界
最近、多くの管理職が、「部下との関係を悪くしたくない」と考えています。
もちろん、その気持ちは自然なものです。ですが、「嫌われないこと」が優先されるようになると、組織は徐々に機能不全に陥っていきます。
本来、管理職の役割は、「気持ちよく働いてもらうこと」だけではありません。メンバーの成長を支援し、ときには耳の痛いことも伝えながら、チームとして成果を出すことです。
しかし現在は、その役割を果たそうとするほど、管理職側の心理的負担が大きくなる構造があります。
「強く言えばハラスメントかもしれない」
「関係が悪化するかもしれない」
「退職されたら評価に響くかもしれない」
その結果、多くの管理職が、「何も言わない」という選択に追い込まれていきます。
ですが、本当に苦しいのは、“何も言えない状態”です。
言うべきことを飲み込み続ける。問題が見えていても触れられない。チームの空気を壊さないことばかり考える。
それでは、管理職自身も疲弊していきます。
だからこそ必要なのは、「優しいだけのマネジメント」ではありません。率直な対話を避けず、互いにフィードバックを返し合える組織です。
心理的安全性とは、「何も言わなくていい状態」ではありません。
本音を伝えても関係が壊れず、むしろ信頼につながっていく状態なのです。


