「優しい職場」なのに誰も本音を言わない
「うちの会社は、昔よりずっと働きやすくなった」
最近、そう話す経営者や管理職は少なくありません。
怒鳴る上司はいなくなりました。理不尽な叱責も減りました。コンプライアンス意識も高まり、ハラスメント研修も行われています。表面的に見れば、確かに“良い職場”になっている会社は増えています。
しかしその一方で、こんな悩みもよく聞きます。
「会議で誰も意見を言わない」
「問題が起きてもギリギリまで上がってこない」
「若手が本音を話さない」
「優秀な社員ほど静かに辞めていく」
つまり、「働きやすい」のに、「組織として強くならない」という現象が起きているのです。
本来、心理的安全性とは「率直に意見を言っても大丈夫だと思える状態」を指します。
ところが、日本企業ではしばしば「厳しいことを言わない」「波風を立てない」「否定しない」という方向に解釈されることがあります。
その結果、“優しいだけの組織”が生まれてしまいます。
もちろん、威圧的なマネジメントがよいわけではありませんが、「言いづらいことを誰も言わない組織」は、長期的には確実に弱っていきます。
