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3兆円補正への"急旋回"で露呈した高市政権の迷走、ほころび始めた「サナエノミクス」が追い込まれかねない"財政の袋小路"

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高市首相
3兆円規模の補正予算編成をめぐる高市首相の“迷走”に身内からも不安の声が上がる(写真:ブルームバーグ)
  • 泉 宏 政治ジャーナリスト
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今回政府が策定する具体的な施策は、①7~9月の電気・ガス料金補助、②特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など重点支援地方交付金、③ガソリン補助金の継続という3点。その中で、国民生活にも直結する電気料金の補助は、使用量1キロワット時当たり、7月と9月が3.5円、8月は4.5円となる。

今年1~3月期の冬季の電気・ガス補助金では、使用量1キロワット時当たり4.5円の補助だった。その際に政府は、2人以上世帯の電気・ガス補助金による負担減は3カ月間平均で7300円との試算値を発表。これも踏まえて、今回の補助金は「標準家庭で3カ月5000円程度の負担引き下げ効果を実現できる」と高市首相は説明した。

3兆円強とした補正予算総額について、高市首相は26年度当初予算の予備費1兆円から約5000億円を充てる方針だ。約3兆円の補正予算で実質GDPは1年間で0.11%押し上げられるとの試算もある(所得増加の支出弾性値0.25%と仮定)。

ガソリン補助金は制度見直しの可能性も

6月下旬にも予算が足りなくなるとみられるガソリン補助金の追加予算も、補正予算で確保することになる。ただ、財界や自民党からは「予算を圧迫するガソリン補助金は縮小すべきだ」との指摘が相次いでいる。

高市首相は「今後の物価動向や経済に与える影響を注視し、政府として必要な検討を進めていく」と明言を避けたが、関係者の間では「最終的には制度を見直さざるをえなくなる」(自民党幹部)との見方も広がる。

補正編成をめぐる高市首相の方針転換の背景には、「財政悪化への懸念から長期金利が急上昇していることがある」(関係者)とみられている。高市首相が補正編成に舵を切ったことを受け、新発10年物国債の流通利回りは18日に一時2.8%と29年半ぶりの高水準となり、その後も高い水準で推移している。

そもそも高市首相は、補正予算の編成を否定し、国会での予算委員会の審議でも「直ちに必要な状況とは考えていない」という答弁を繰り返してきた。「結果的に補正予算が必要となれば、強い経済を目指す『サナエノミクス』の否定につながると考えていた」(官邸筋)からだ。

しかし、物価高対策に使える予備費は、前年度分を合わせても約2兆円しかない。電気・ガス代の補助に着手すれば、月額約5000億円が追加で必要になるとみられることから、「ようやく予備費不足に気がついた」(財務省幹部)のが実態とされる。

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