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なぜ日本がレアアースで中国に負け続けているのか、最大の敗因は「価値ある資源」のトリウムの放置だ

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カリフォルニア州マウンテンパスのレアアース鉱山。一度閉山されたが再稼働された(写真:David McNew/Getty Images)
  • 亀井 敬史 トリウム熔融塩国際フォーラム理事
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レアアース鉱物には放射性物質のトリウムが同伴する。磁力の大幅な強化に使用されるネオジムや、その耐熱性向上に貢献するジスプロシウムなどを単離する前に、これらの工程を放射性物質で汚染させないために、まずトリウムを取り除く。

このトリウムに”用途がない限り”、これは廃棄物として処分される。経済活動の利益にならないためだ。ところがトリウムは放射性物質であるため、環境に放出すると放射線被ばくといった健康被害をもたらしかねない。

日系企業の失敗

1980年代にマレーシアでその被害が起きた。エイシアン・レアアース(ARE)事件だ。マレーシアで三菱化成など日系企業が設立した製錬会社がレアアースの抽出過程で発生した、高濃度の放射性物質「トリウム」を含む廃棄物を適切に管理せず、深刻な環境汚染と住民の健康被害を引き起こした。

レアアースの資源開発を行うときには、このトリウムの環境汚染対策、すなわち内部化を考慮しなければならない。ところがコストをかけてトリウムを処理すると、その生産物、すなわちレアアースの価格は上昇し、このトリウムの対策を行ってこなかった中国に対しては価格競争力を持つことはできない。

しかし、もしこの無価値、いやむしろ有害と思われているトリウムが有価物となればどうなるだろうか。

ここでトリウムとレアアースの開発の歴史を振り返りたい。われわれは今でこそ、レアアースには着目している。産業の一部になっていると言って過言ではない。しかし、そもそも有価物として期待されていたのはそのレアアースではなく、トリウムだった。それはなぜか。

核兵器は1940年代にアメリカで実用化されたが、それとほぼ同時に、核分裂エネルギーの平和利用、すなわち発電も検討されていた。

核兵器はよく知られているように、天然には0.7%しか存在しないウラン235を濃縮して使用するものがある。現在、アメリカがイランに対して引き渡しを要求しているのは、この濃縮ウランだ。

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