シリーズの変革を打ち出しながらも、もちろん年配層を中心にするコアファンを切り捨てるわけではない。その世代の心を掴む作り込みもしっかりとあり、個人的には後半は胸熱だった。
ライトセーバーこそ出ないものの、両手にそれぞれ大鎌と剣を持つ2人がぶつかり合う、まるで日本の時代劇のようなソードアクションや、戦闘機で地上の拠点を急襲するラストの戦闘アクションはまさに『スター・ウォーズ』シリーズそのもの。
父子関係の確執とそこからの解放や、仲間との絆がしっかりと描かれ、感動のラストに落とし込まれる。王道のスペースアクションエンターテインメント大作である本シリーズの流れをしっかりと継承している。
スピンオフということもあり、作品テイストこそこれまでのシリーズとは異なるものの、本筋の物語性を受け継いでいるから、従来ファンも納得しているのではないだろうか。
加えて、本作のよさには、映像描写にぬるさがないことがある。昨今の世間の風潮に忖度することなく、この物語を描くために必要なシーンをしっかりと映し出している。
戦時を生きる彼らが直面する生死をかけた戦闘も暴力も、激しさとキツさを伴って映す。物事の本質から目をそらさないから、そこには迫力が宿る。テレビドラマのような丸さはない。演出も映像描写もしっかりした、大人向けの戦争映画の側面を有する。
『スター・ウォーズ』新章の今後に注目
シリーズはこれまで、共和国と帝国との抗争を通して、銀河の多様な種族の調和や協調をひとつのテーマとして入れ込んできたが、本作はそうした社会性やメッセージ性は前面に打ち出されない。賞金稼ぎが直面する諍いを映す、エンターテインメントに特化している。
それは、『スター・ウォーズ』を知らなくてもおもしろい、誰でも楽しめる物語になっている。
初週の結果を見ても、その狙いが奏効しているように見える。まずは来年の新たな幕開けに向けた地ならしの成果が表れている。ここからスタートする『スター・ウォーズ』新章は、幸先良い出足になった。
