新型CX-5では、凹凸通過時にわずかな目線の上下ブレを筆者は認識したが、競合車となる国内外のエンジン横置き/ミドルサイズSUVたちと同じくソフトライドな乗り味を、まさかCX-5で味わえるとは考えてもみなかった。
そこに、ご覧のような従来型をさらに洗練させた優雅なボディの組み合わせだ。これなら販売店での試乗をした瞬間から、「いいね、私たちの期待どおり!」との声がそこかしこから聞かれるだろう。販売価格にしても充実装備のボトムグレードが330万円台、量販を狙った中間グレードで360万円台と魅力的だ。
3代目となったCX-5のプラスとマイナスの要素
ただし筆者は、この変革を迎えた乗り味について、マツダにとってはプラスの面とマイナスの面があると思えた。プラス面は、定評ある優雅な内外装デザインに、期待どおりの上質な乗り味をドッキングさせたこと。さらに戦略的な車両価格も大いに後押しする。結果、販売台数を大きく伸ばすだろう。
マイナス面は、マツダがこれまで大切にしてきた、車体の大きさを感じさせない人とクルマの一体感がやや削がれてしまったことだ。これにより歴代CX-5ユーザーやマツダファンの目には、個性が薄まったと映るかもしれない。まさに筆者がこれだ。また、中長期的に見れば培ってきたブランド力への影響も無視できない。いずれにしろ取り越し苦労であればいいし、答えは数年後、時の市場に託したい。
長々と説明した乗り味の違いだが、構造上から見ればシンプルだ。
従来型ではサスペンション構成パーツのうち、スプリングのバネレートを高めとして、ダンパーの減衰力をそれに合わせてセッティングしてきた。メリットはすっきりとした乗り味だが、同時にスプリングが最初に縮む(反対側は伸びる)時間と、ボディが実際に動き出す時間にmm秒単位のタイムラグを意図的に生み出した。マツダではこれを「タメ」と表現し、特徴的な乗り味として位置づけていた。
