前回は、主人公がメールのリンクをクリックしたことをきっかけに、大手自動車メーカーの工場ラインが停止し、会社が取引先からの信用を失っていく様子を描いた。主人公自身もまた、給与カットや左遷といった厳しい処分を受けた。
では、どうすればこのサイバー攻撃を回避できたのか。
実は、被害を最小限に食い止めるチャンスは、最初のクリック直後に残されていた。ここでは、もう1つの可能性を描く「ifストーリー」と、そこから見えてくる具体的な備えを紹介する(前回の記事はこちら:前編・後編)。
勇気ある告白
佐藤が地獄を見ないですむ方法は、1つもなかったのか。実は、チャンスが残されていた。もし、彼があの日、入力してしまった直後の「5分間」に行動を起こしていれば……。
金曜日の午後4時10分。入力直後、「あれ?画面が変だったな」と違和感を覚えた佐藤は、冷や汗をかきながらも受話器を取った。

