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年々暑さが厳しさを増す中、学校での熱中症対策は喫緊の課題だ。特に部活動や体育の授業では、従来の「水分補給をしっかりと」というアプローチだけでは不十分な状況になりつつある。現場はどのような備えで子どもたちを守ればよいのか。環境運動生理学を専門とし、熱中症対策の啓発に取り組む、早稲田大学准教授の細川由梨氏に聞いた。
「気温が急上昇」「テスト期間明け」は要注意
日本スポーツ振興センターの災害共済給付データによると、児童・生徒の熱中症の医療費給付件数は、2000年頃から増加し、18年には7000件を超えた。スポーツ活動が制限されたコロナ禍を機に減少したものの、依然として3000件前後で推移している。また、熱中症対策の必要性が認識されるようになる中、熱中症による死亡事故は減っているが、その多くは運動部活動で発生している。
こうした概況は医療費給付件数から把握できているものであり、学校管理下で日々発生している熱中症に関して一元化された集計はないが、「現場の先生方のお声を聞いていると、医療機関の受診には至らない軽症例が増えていると思われます」と細川氏は言う。
「運動中に起こる『労作性熱中症』は、重症化すると高体温や意識障害を伴いますが、学校現場では、運動誘発性の筋けいれん、いわゆる『こむら返り』や、倦怠感やめまいなどによって運動を継続できなくなる熱疲労の状態がよく見られます。多くのケースが病院に行くほどではないため軽視されがちですが、こうした初期症状を見逃さないことが重大事故を防ぐ第一歩となります」
熱中症が起きやすい時期として細川氏が特に注意を促すのが、「春から夏にかけて気温が急上昇した時」と「梅雨明け直後」だ。
