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「たったひとりの民間人の気分」が国家権力を動かす…イーロン・マスクが「宇宙インフラ」を握った"本当の意味"

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イーロン・マスク(写真:ブルームバーグ)

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6月の上場が報じられているスペースXをイーロン・マスクはいかにつくりあげたのか。マスクが中心となったシステムを「マスキズム」と呼ぶボストン大教授が、その成り立ちや特徴を徹底解説。書籍『マスキズム』より一部抜粋してお届けする。

宇宙を制すことで政府以上の力をもつ

2002年にマスクが設立したスペースXは、マスキズムの発展におけるひとつの進化を示していた。対テロ戦争は新しいタイプの国家との共生を育てた。軍事請負業者が、かつては政府が担っていたような役割を任されるのである。

マスキズムは「企業が国家と軍事パートナーシップを結ぶことで、国家のような存在となりうる」という考え方を手にした。目標は政府を排除することではない。政府を「属国化」させることだ。つまり「独占的プロバイダー」となり、自分たちからサービスを購入しなければ、政府の権限を行使できない状態にすることである。

2025年までに、スペースXはアメリカがおこなう軌道打ち上げの95パーセント、そして世界全体でも半数以上を占めるようになっていた――それほどの独占ゆえ、国防総省やNASAを含めた政府機関はマスクに深く依存することになった。

スペースXは事実上、政府が地球低軌道へアクセスするための門番(ゲートキーパー )となった。それはまさに「サービスとしての主権」とでも言うべきものだ。現代のインターネット・プラットフォームの論理が、国民国家というスケールにまで拡大されている。

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【ロケット界の「トヨタカローラ」】

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