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宇宙産業の覇者・スペースXはどこへ向かうのか/1万機超の衛星コンステで世界を制したイーロン・マスクの次の一手

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イーロン・マスクのエンジニアリングセンスが高サイクル開発の原動力になっている(写真:AFP=時事)
  • 秋山 文野 サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

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2004年のスペースシャトル退役決定に象徴されるように、00年代に入ってアメリカの宇宙政策は転機を迎えた。NASA(米航空宇宙局)が宇宙船開発を民間企業に発注する形から宇宙探査ビジネスの市場を開拓・育成していく過程で、民間から必要な「サービス」を買い付ける流れが生まれたのだ。

例えば、高度400kmの低軌道で運用されるISS (国際宇宙ステーション)。こうした地球に近い領域は民間に任せ、NASAは大型の太陽系探査をリードする方向に進んでいる。

第1次トランプ政権時にはISSへ宇宙飛行士を輸送する宇宙船をスペースXとボーイングの民間2社が競争で開発し、スペースシャトル以来の宇宙輸送の空白を埋めることができた。第2次トランプ政権で就任したジャレッド・アイザックマン長官は、月探査「アルテミス計画」でも民間同士の競争を促進し、効率化によるコストダウンの流れを強化しようとしている。

宇宙国家として台頭する中国

00年代に入って、ロシアを上回る強力な宇宙競争相手となった中国は、5カ年計画をベースに月探査や宇宙ステーション「天宮」の完成など着実に実績を積み上げ、宇宙開発国家としての自信を深めている。

月探査では南米をはじめ「中国中心の探査連合」をも築きつつある。国産ロケット「長征」シリーズの多様化と民間ロケット開発促進で宇宙輸送の自在性を高め、宇宙ビジネス分野でも超大型の衛星コンステレーションの構築を推進するなど、国としての垂直統合を急いでいる状況だ。

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【スペースXの収益源は・・・】

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