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ソフトバンクが踏み込んだ国産バッテリー事業 通信会社が描く「内需脱却」の絵

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亜鉛-ハロゲン電池は固体電池と液体電池の技術を統合した世界初の電池セルだという(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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自社利用と並行してモバイル基地局へも展開する。社内導入で品質と量産性を確認したうえで、家庭用・業務用・系統用の3つの製品ラインを外販する段取りだ。家庭用は太陽光発電と組み合わせた自家消費や、停電時の非常用電源を想定する。業務用は工場やビルに置き、電力需要のピーク時に放電して契約電力を抑える用途が中心。系統用は電力会社の送電網に直接つなぎ、再エネの出力変動を吸収する大型蓄電池だ。中期的には海外市場への進出も視野に入れ、宮川社長は数千億円規模の事業に育てる構想を示した。2030年度の1000億円以上の売上規模はその通過点と位置づける。

家庭用、業務・産業用、系統用の3つのプロダクトラインを並行して展開する(写真:筆者撮影)

ソフトバンクが提供するのは電池そのものだけではない。10年間の電力事業で培ったエネルギーマネジメントシステム(EMS)を組み合わせる点が強みだ。蓄電池は単に設置しても性能を引き出せない。再エネの発電変動や時間帯ごとの需要に合わせ、充放電のタイミングを最適化してこそ容量を活かせる。EMSはAIで需要を予測し、電池の充放電を自動制御する。苫小牧データセンターには2026年度に第1号を導入予定で、宮川社長は自社で需給コントロールを完結できるかどうかをここで検証すると述べた。電池のハードとAIで需給を制御するソフトをセットで提供できる事業者は世界でも例が少ない。これを国内で確立できれば、日本のエネルギー需給を可視化するモデルになる。

通信会社が電池事業に挑む理由

業界には先行プレイヤーがいる。国内の系統用蓄電池市場では東芝エネルギーシステムズ、日立エナジー、住友電気工業、京セラなどが既に事業を展開し、海外では中国のCATLや米テスラがリチウムイオン系で市場を押さえる。亜鉛系の非リチウム電池に絞れば、米Eos Energy Enterprises(NASDAQ上場)が先行する。独自のZnyth技術で6ギガワット時以上の放電実績を持ち、2026年5月にはAIデータセンター向けに3年で最大2ギガワット時規模の供給契約を結んだ。ソフトバンクの参入はこの流れの中にあり、自社AIデータセンターという自前需要を起点とする垂直統合が差別化の軸になる。

ソフトバンク自身も電池研究の蓄積がないわけではない。2021年に栃木県に電池評価・検証施設を設けて、HAPS(成層圏通信プラットフォーム)向けの高密度電池の開発を続けてきた。ただし広報の説明によると、今回の国産バッテリー事業はAIデータセンター向けの定置用蓄電池の開発・製造で、HAPS向け電池はR&D目的のため別の枠組みだという。

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【AI時代を支える電力インフラを国産化することで、輸出産業に転換する】

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