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「際限のない婚活」「DV・モラハラの被害」…結婚をめぐる《自己責任論》が見落としがちな、当たり前すぎる2つの視点

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男女の結婚や恋愛についての「自己責任論」が見落としている盲点とは(写真:kapinon/PIXTA)
  • 戸谷 洋志 立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授
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もちろん、自分をよりよく見せようと努力すること自体は、決して悪いことではありません。しかし本当に、恋愛や結婚とは十分な努力によって確実に手に入るものなのでしょうか。

恋愛や結婚を努力の成果として語ることの危うさ

自分磨きという言葉が魅力的に響くのは、それが努力と成果の関係を分かりやすく示しているからでしょう。「努力すれば結果が出る」という構図は、現代社会において広く共有されている価値観でもあります。

しかし、恋愛や結婚をそのような単純な因果関係で説明することには、慎重である必要があります。なぜなら、恋愛や結婚とは本質的に他者との出会いによって成立する出来事であり、その多くの要素が個人の努力だけではコントロールできないからです。

たとえば、どのような人と出会うのか、どのような環境に身を置くのか、どのようなタイミングで関係が生まれるのかといった要素は、偶然に大きく左右されます。どれほど努力しても、出会いそのものが生まれなければ恋愛や結婚は成立しません。

それにもかかわらず、恋愛や結婚を自分磨きの結果として語ることは、「うまくいかないのは努力が足りないからだ」という発想を生み出してしまいます。その結果、人々は際限なく自分を改善し続けなければならないと感じるようになります。

美容、ダイエット、整形、コミュニケーション講座など、様々なサービスが次々と提示されるのは、この心理を利用している面もあります。何をすれば成功するのかが明確ではないからこそ、人は次々と新しい努力を求められるのです。

もちろん、自分の望む姿に向けて努力すること自体は素晴らしいことです。しかし、その努力が恋愛や結婚の成功のためだけに行われるとき、自分の身体や人生が手段として扱われてしまう可能性もあります。

自分磨きのために無理なダイエットをして健康を壊してしまったり、あるいは健康的な体型なのに自分を「太っている」と思い込んで、自己肯定感が低下してしまうことは、本人にとって望ましいとは言えないでしょう。

恋愛や結婚は、努力だけで確実に得られるものではありません。そこには偶然やタイミング、環境など、多くの要素が関わっています。だからこそ、よい縁に恵まれないことを自分の努力不足として引き受ける必要はないのです。

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【大切なのは「努力」を過大評価しないこと】

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