75~85歳の年齢になると、「要介護」の割合が一気に跳ね上がります。ただし、75歳になった日を境に、突然体が弱るわけではありません。
その前の"65〜75歳の10年間"にどれだけ体を動かす基盤をつくれたかが、75歳以降の"さらなる老いとの戦い"の勝敗を大きく分けるのです。この時期をどう過ごすかが、その後の人生を大きく左右する分岐点になるということです。
だからといって、すでに75歳を迎えている方や、80代の方は手遅れというわけではありません。人間の筋肉や体は、正しい方法でアプローチすれば、いくつになっても必ず応えてくれます。「気づいた瞬間」が、老いを食い止めるスタートラインなのです。
「転倒」が寝たきりの入り口になる
では、なぜ75歳以降になると、これほど急激に要介護の割合が増えてしまうのでしょうか。その大きな理由のひとつが、転倒です。
厚生労働省のデータによると、「転倒・骨折」は要介護状態になる原因として認知症や脳血管疾患に次いで上位に挙げられています。特に75歳以降では、その割合がさらに高くなります。注目すべきなのは転倒の多くが、
〇高いところからの転落
などという大きな事故ではなく、
〇段差でバランスを崩した
〇何もないところでよろけた
といった、日常の何気ない動作の中で起きているという点です。
1度でも転倒して骨折をすると、その後の人生は大きく変わります。入院や手術をきっかけに体力が落ち、「また転ぶのが怖い」という不安から外出を控え、動かなくなることで筋力が低下し、さらに転びやすくなる――。
この負の連鎖によって、要介護状態へと進んでしまう人は決して少なくありません。また、骨折した部位や重症度によっては、そのまま寝たきり生活になってしまうことが多いのも、「転倒」の怖いところです。
転んでしまう背景には、はっきりとした理由があります。
〇太ももやお尻の筋力が弱くなっている
〇足首や股関節が硬くなっている
〇バランス感覚が衰えている
こうした体の変化が重なった結果として、転倒が起こります。逆に言えば、これらを整えていけば、転倒のリスクは確実に下げられるのです。
