一方、文部省と農林省は学校給食の継続を求める。結果、給食費用の保護者負担が引き上げられることになり、学校給食の提供が困難な地域(学校)が続出した。
またその頃、台風や風水害などの大規模災害が日本で多発したが、災害発生により、学校給食を実施していない地域においては欠食児童が増え、社会問題となった。
セーフティネットでもある学校給食が存続するために
学校給食はいくつもの存続の危機を迎えた訳だが、その一方で学校給食はセーフティーネット(安全装置)の役割もあることが注目され、学校給食の安定した提供が叫ばれるようになった。
学校給食を法制化する機運が高まり、54年、学校給食法が制定された。これは「学校給食の普及充実を図ることを目的」としたものであり、国庫補助の経費負担も明文化される。
学校給食が国家主導で行われるようになったのだ。さてこれまで見てきたように、戦後はアメリカ主導で小麦の主食化が日本で推進されたが、それにより米の消費量が減少していた。
その問題を改善すべく、76年には文部省の方針で米飯給食が正式に導入される。これによりパン給食は減っていき、主食はご飯という学校が今では増えている。農水省は2016年度から予算を組み、和食文化の継承や食育のために「和食給食」の普及を推進しているのだ。
さて冒頭で記した学校給食の問題点解決のためには、調理員の待遇改善など、政府の対策が必要だと考えられる。給食費の抜本的な負担軽減があっても、調理員が減り続けたら、子どもに給食を提供することができないからだ。
貧困や災害による欠食児童を救ってきた給食がこれからも存続していくには、ただ補助金をつけるだけでは持続可能ではないだろう。賃金の見直しや省人化のための取り組みなど、まだまだ残された課題は多い。
(主要参考文献一覧)
・学校給食十五周年記念会編『学校給食十五年史』(1962年)
・黒瀧秀久・岸山絵里子「学校給食の史的変遷と給食の現代的意義に関する考察」(『旭川大学短期大学部紀要』51、2021年)
・Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部「牛・豚肉が使えず鶏肉で代用――物価高に人手不足、学校給食がピンチ #こどもをまもる」(Yahoo!ニュース オリジナル、2024/9/10)


