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「年をとったら防ぎようがない」は間違い…《誤嚥性肺炎》を防ぐために、高齢者がまず気をつけるべきひとつのこと

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誤嚥性肺炎を防ぐために気をつけるべきこととは(写真:KY/PIXTA)
  • 戸原 玄 東京科学大学大学院医歯学総合研究科医歯学専攻老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野教授
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これだけよくできた機能なのに、なぜ誤嚥が起こるのでしょうか。それは、この繊細でスピーディーなのどの一連の動きのどこかに、ズレや力不足が生じるからです。

喉仏を持ち上げる筋肉が弱ると、気道の蓋が閉じる前に食べ物が落ちてきて、一部が気管へ流れてしまう。もしくは、飲みこんでいる間に気道の蓋を閉じる力が弱く、食べ物が気道に押しこまれてしまう。

さらに、飲んだあとでのどに引っかかった食べ物が、気道に落ちこむといったことも起こる。これが誤嚥をまねくのです。

飲みこみのときの反射が鈍るのもまた、誤嚥の原因になるとお考えください。通常は、のどのセンサーがはたらくと、すぐに飲みこみが始まります。しかし、この反射のスイッチが入りにくくなると、食べ物がのどにきているのに、体が飲みこみの準備を始めないという遅れが生じます。

筋肉の衰えも、反射の衰えも、どちらも加齢が原因になりがちです。

この説明だけを聞くと、「年をとったら誤嚥は防ぎようがない」と勘違いしてしまうかもしれません。お医者さんから、「この年なら、多少の誤嚥も仕方ないですね」と言われた方もいるでしょう。

しかし、あきらめる必要はありません。ほとんどの誤嚥の原因は、じつは「姿勢」にあるからです。姿勢に気をつけるだけで、ほとんどの誤嚥は防げるのです。

誤嚥防止のために注意すべきは一にも二にも姿勢

すでに説明したように、私たちが物を飲みこむとき、のどは複雑な動作を瞬時におこなっています。繊細な動作ゆえに、体の状態がわずかに乱れるだけで、大きな影響を受けてしまいます。とくに「姿勢」は、飲みこみの安全性に大きく関わっています。姿勢が悪いと、

⃝食べ物の流れがまっすぐにならず、気管へ流れこみやすくなる
⃝のどの筋肉が本来の動きができない
⃝気管の蓋が閉じにくくなる
⃝舌が後ろへ動きにくくなる
⃝呼吸と飲みこみのタイミングが乱れる
⃝重力の向きが変わり、食べ物が「落ちる方向」が変化する

といった、繊細な動きのどこかに微妙なズレが生じるため、誤嚥しやすくなるのです。

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【姿勢の悪さが誤嚥を起こす典型例】

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