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高校生の部活で「片道200kmの遠征」は本当に必要か…休日もほとんどない"部活至上主義"の限界

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画像はイメージ(写真:yamahide/PIXTA)

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新潟県北越高校のソフトテニス部の部員20人を乗せたマイクロバスが、福島県郡山市の磐越道でガードレールに衝突し、部員の高校生1人が死亡した痛ましい事故が注目を集めている。

メディアは、このマイクロバスが旅客運送の許可を受けた緑ナンバーの貸切バスではなく、「白ナンバー」のレンタカーだったことや、運転手が二種免許を所持していなかったことを連日報じている。そもそも、こうした「高校部活の遠征」は、かなり以前から過熱気味なのだ。

まずその「移動距離」に驚く。北越高校のある新潟県新潟市と、練習試合会場の福島県富岡町は、磐越自動車道などを経由して片道200km以上、通常で3時間半前後かかる。日本海側から太平洋側へ、本州を横断している。

報道によれば、事故当日、顧問は午前5時20分ごろに学校に到着し、自分の車で遠征に出発。日帰りの遠征だったという。高校生が休日になぜここまでの「強行軍」をする必要があるのか、と思うだろうが、高校部活の世界ではこれはまったく珍しくない。

「盆と正月、テスト期間以外は全部部活」が当たり前の現実

平日は授業終了後に練習、休日は対外試合、大会出場というのは、多くの高校部活では「当たり前のスケジュール」になっている。筆者はコロナ前に、高校部活を集中的に取材していた時期があるが、部活顧問の教員は口をそろえて「盆と正月、中間・期末テストの時期以外は、全部部活に打ち込んでいます。家族の理解があればこそです」と言った。

部活は顧問(監督)と部長という2人の教員で見ることが多い。部活のたびにマイクロバスをチャーターする学校もあるが、マイクロバスを所有している学校も多い。またマイクロバスを運転するために8トン制限なしの「中型免許」を取得する教員もいる。休みになれば、マイクロバスに部員を乗せて各地の学校に遠征する。

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【金曜の朝から出発して日曜の夜に帰ってくるパターンも】

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