発達障害がある人の能力を見いだす方法として有効と考えられるのが、実務を伴うインターン制度の活用です。たとえば、オムロンでは2〜3週間、日揮パラレルテクノロジーズは1カ月間の採用インターン制度を設けています。
一定期間、実際の業務に携わってもらうことで、採用後にどのような活躍ができるかを具体的にイメージしやすくなるためです。
発達障害がある人の能力が見過ごされている現状を踏まえ、日本総研では「ニューロダイバーシティマネジメント研究会」を主催し、民間企業10社(2025年3月末時点)と共に発達障害がある人の活躍機会の創出に取り組んでいます。特に着目しているのが、サイバーセキュリティやデータ分析領域における活躍の可能性です。
昨年8月には、研究会に参画する6社が発達障害がある学生を主な対象として、これらの領域で1週間のインターンを実施しました。企業側からは「十分に能力を発揮できそうだ」という声が多く、「採用したい人材がいた」といった企業も複数社ありました。
能力を引き出すための「環境整備」
このように、発達障害がある人は、適切な環境が整えば十分に活躍できる可能性があり、人材不足が著しい日本では、重要で魅力的な人材になると考えられます。実際、帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)」によると、正社員が不足している企業の割合は51.6%と、過去最高の53.9%(2018年11月)に迫っています。
人材獲得競争が激化するなか、発達障害がある人を「見いだすこと」「活躍できるようにすること」は企業の競争力に直結する時代に差し掛かっています。
能力発揮に必要なことは「環境整備」です。たとえば、ASD特性がある人に対しては、次のような工夫が有効です。
・指示は5W1Hを明確に伝える
・依頼は1つずつ伝える
・業務と関係のない雑談を無理に求めない
・他部署や外部との調整・交渉業務を無理に任せない
・プレッシャーの強い業務は無理に任せない
