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「買収額が高すぎたのでは?」との声もあるが…串カツ田中が買収「郊外型高級ファミレス」いつも混んでる納得のワケ

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イタリアンファミリーレストランチェーン「ピソラ」店舗外観
ユニシアHDが「ピソラ」の出店を加速させる背景にあるものとは(写真:筆者撮影)
  • 鈴木 恵美 外食・小売に強いプロ広報/初代プレスリリースエバンジェリスト
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この判断の背景には、外食市場の業態間格差がある。日本フードサービス協会の24年外食産業市場動向調査によると、業態別売上でファミリーレストランは前年比109.5%と全業態トップの伸びを記録した。

一方、パブレストラン・居酒屋は105.5%にとどまり、店舗数は全体的に微減傾向が続く。居酒屋業態を主力としてきたユニシアHDにとって、事業の多角化が急務であることを数字が示している。

では、連結初年度となる第1四半期の数字はどうだったか。第1四半期(25年12月〜26年2月)のピソラの売上は29億700万円、計画比102.3%と事業自体は順調だ。しかし営業損益の欄には3300万円の赤字が記録されている。

利益を押し下げているのは、のれん償却費だ。のれん87億円は15年均等償却のルールで処理され、年間約5.8億円、3カ月分が約1.5億円となる。

ピソラ自体は「のれん償却前営業利益」ベースで1億1400万円の黒字だ。事業として稼いでいるにもかかわらず、87億円の期待代金の「分割払い」が営業利益を押し下げている構造だ。

利益は出ているものの、それ以上にのれん償却費が大きいピソラ。店舗数を増やしていけば、負担は少なくなるが…(画像:ユニシアHD 2026年11月期第1四半期 決算説明資料より)

それでも出店を加速する理由

ユニシアHDは26年11月期中にピソラをさらに21店舗追加し、84店舗体制にする計画だ。店内の壁には額縁に入ったリクルートポスターが複数掲げられており、「全国へ300店舗、あなたの未来に可能性を」という言葉が出店意欲を象徴している。

レジの横やドリンクバーカウンター、客席付近など店内の至る所に掲げられている(写真:筆者撮影)
郊外型で、初期投資も大きくかかると予想されるピソラだが、通期で20店舗以上の出店を計画している(画像:ユニシアHD 2026年11月期第1四半期 決算説明資料より)

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【回復・好調局面に入ったファミリーレストラン業界】

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