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今回、そんな人間の本質に進化心理学で迫り、左派と右派、女性と男性、集団主義と個人主義など、ヒトとその社会を「つながり」と「自主性」という2つの欲求の綱引きで説明するとともに、現代人の不幸の原因はこの2つの欲求のバランスの崩れにあると指摘する『誰かと一緒にいたいけど、1人になりたい:つながりと自主性の進化心理学』より、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。
世界は個人主義に向かっている
過去50年にわたって、世界中のさまざまな文化がゆっくりと個人主義に向かっていった。
この点で、ほとんど、あるいはまったく変化を見せない文化も多いが、変化の明白な証拠が見られる文化では、きまって集団主義から遠ざかっている。
人々が経済的に豊かになり、お金は自主独立を可能にするからでもあるが、他にもかかわっている要因がある。
一例として、中国が人口過剰になるのを防ぐことを意図して実施した一人っ子政策について考えよう。
一人っ子政策はじつに多くの興味深くも意図せぬ結果を招いたが、ここではこの政策に続いて起こった子育ての仕方の変化に注目したい。
中国は政策導入後の45年間に、ほとんどの親に子どもが1人しかいないだけでなく、ほとんどの祖父母にも孫が1人しかいない国になった。
そのたった1人の子や孫が、家族にとってどれほど貴重になったかは、簡単に想像がつく。その子や孫は、家族の期待を一身に集め、注意と愛情のすべてを注がれた。


