東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

「誰のための探究学習か」を問い直す 高校生が"評価する側"に回って見えたこと

7分で読める
人生で必要な決め方はすべて「進路選択」で学べる
自分らしい進路選択に向けて、生徒たちは動き出している(写真:YAMATO/PIXTA)
  • 山本 尚毅 日本総合研究所創発戦略センター所属
  • 山口 大輔 河合塾学校教育サポート本部学校事業推進部部長
2/4 PAGES

「最初は、社会的に正しそうな活動や、大人が褒めそうな実績に目が行きがちでした。でも、表を使ってメンバーと何時間も議論するうちに、『私たちが本当にすごいと思うのは、リスクをとってでも心がワクワクする挑戦をしている人だ』と気づいたんです」(別の委員)

こうして若者たちによって選ばれた受賞者たちは、リスクとワクワクという審査基準において突出している。例えば、ファッション部門で受賞したモデルのKAHOさん(高校3年生)は、前例も経験も、コネクションも無い中で、パリ・コレクションのモデルに応募し、出演を果たした。

平和部門で全体のグランプリも受賞した二ノ宮リム虹さんは、気候変動問題の解決に向けて、日本や世界の各地でデモ活動の前線に立ち続けてきたが、その根底にあるのは、自分と遠く離れた人びとの暮らしを想像し、連帯して動くことへの好奇心だった。

アワードのファッション部門では個性的な作品が紹介された(写真:Rising Teenager Award 実行委員会)
【写真を見る】「誰のための探究学習か」を問い直す 高校生が"評価する側"に回って見えたこと(3枚)

自分たちが「すごい」と思う人は、なぜ「すごい」のかを言語化し、選ばれた受賞者たち。それは、若者審査委員自身が、同じ若者として、心の内で、「自分も同じようになりたい」と憧れる対象でもあった。

経営の真髄とも重なる意思決定

「直感で発想・探索し、論理で検証・判断し、哲学で跳躍する」。これは、伊丹敬之・一橋大学名誉教授が言う「優れた経営者やリーダーが行う意思決定の真髄」だが、若者審査委員たちはこの高度な経営判断に値するほどの意思決定を行ったといえる。

『直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍: 経営の知的思考』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

30の候補者を選ぶときは、「なんだか面白そう」「この人はヤバいぞ」という直感を働かせながら、全国からくまなく候補者をリサーチ。

そこから、受賞者を選ぶときは、「進路選択の教室」で学んだ「進路選択表」を応用することで、明確な判断基準に基づいた論理的な意思決定を目指した。

そこから飛躍して生まれた「リスクとワクワク」という審査基準は、若者審査委員の哲学そのものだったのだ。

ゲストとしてアワードの様子を見守ったウスビ・サコ氏(東京都立大学理事・2025年日本国際博覧会副会長)も、最後の講話で若者たちの独自の視点と評価軸を高く評価した上で、「このアワードを、10年以上続けていきなさい」と、力強いアドバイスとエールを送った。

ゲスト審査員にはウスビ・サコ氏(東京都立大学理事・2025年日本国際博覧会副会長)も参加した(写真:Rising Teenager Award 実行委員会)
3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象