東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

「若手に任せてたら教育の質が保てない」、ベテラン教員"価値観ギャップ"ありすぎると嘆く…学校がうまく回りだすヒント

10分で読める
新人を睨む先輩
“自分たちの時代”の当たり前を若者に押し付けていないだろうか(写真:Taka / PIXTA)
2/4 PAGES
3/4 PAGES

その結果、教科学習以外の「調整」や「チェック」の量が膨大になり、学校というシステム自体が回らなくなっている。

しかも、よかれと思ってする行為は、学校としての「正しさ」や「マニュアル」の外にあることも多い。こうしたプラスアルファの教育まで担うベテラン教員はますます業務を抱えがちになり、教員同士の世代間ギャップがより顕著になっていきます。

金間大介(かなま だいすけ)金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授/横浜国立大学大学院工学研究科物理情報工学専攻(博士(工学))、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、東京農業大学准教授等を経て、2021年より現職。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論など。若手人材や価値づくり人材の育成研究に精力を注ぐ。大手企業のほか、医療機関や社会福祉法人との連携も多数。主な著書に『無敵化する若者たち』『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)、『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)、『ライバルはいるか?』(ダイヤモンド社)など。一般社団法人WE AT副代表理事、一般社団法人日本知財学会理事も務める(写真:尾形文繁撮影)

若い世代の「行動に着目すること」が大切

——教科学習以外の業務の多さや教員不足の解消など「システム」の見直しは文科省など含めて行っていく必要がありますが、現場でこの世代間ギャップをうまく埋めていく方法はあるでしょうか。

若者が定時に帰ることに対して、ベテラン教員が自分の感情に基づいてリアクションしてしまうと、「君はどういうつもりで教師をしているんだ」という怒りになり、自分自身をさらに追い詰めることになります。

若い世代とのコミュニケーションにおいて、感情を乗せる必要はありません。大切なのは「感情ではなく行動に着目すること」です。「これはできている、できていない」「次はこれをやる、これはやらなくていい」といった明確なやり取りこそ、今の若者が求めているものです。

真面目な若者であれば、行動に関するアドバイスは自分の成長や負荷の軽減につながるため、どんどん取り入れていきます。

一見、遠回りのようですが、行動へのフィードバックを淡々と継続することが若手の能力を高めることにつながり、結果的に現場を楽にする近道になるのです。

さらに有効なのが、できる限り「ルール化」「仕組み化」することです。

わかりやすい例は、実はアルバイトにあったりします。あるファミレスでは、お客様のお水がコップの半分以下になったら注いで回ろう、というルールがあって、これがちゃんと機能しています。

バイト店員からすれば、コップに水を注ぐ“やる気”なんてないわけですが、ルールなので淡々とやる。

そこを、そうしたルール化をしないまま、「もっとお客様の気持ちになって」「心から満足していただくために」とあいまいな感情論を持ち出してしまいがちなのが上の世代。ルール化が進めば、次第に若者はルールどおりに動き出し、結果として管理職やベテラン世代の負担は減っていきます。

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象