その結果、教科学習以外の「調整」や「チェック」の量が膨大になり、学校というシステム自体が回らなくなっている。
しかも、よかれと思ってする行為は、学校としての「正しさ」や「マニュアル」の外にあることも多い。こうしたプラスアルファの教育まで担うベテラン教員はますます業務を抱えがちになり、教員同士の世代間ギャップがより顕著になっていきます。
若い世代の「行動に着目すること」が大切
——教科学習以外の業務の多さや教員不足の解消など「システム」の見直しは文科省など含めて行っていく必要がありますが、現場でこの世代間ギャップをうまく埋めていく方法はあるでしょうか。
若者が定時に帰ることに対して、ベテラン教員が自分の感情に基づいてリアクションしてしまうと、「君はどういうつもりで教師をしているんだ」という怒りになり、自分自身をさらに追い詰めることになります。
若い世代とのコミュニケーションにおいて、感情を乗せる必要はありません。大切なのは「感情ではなく行動に着目すること」です。「これはできている、できていない」「次はこれをやる、これはやらなくていい」といった明確なやり取りこそ、今の若者が求めているものです。
真面目な若者であれば、行動に関するアドバイスは自分の成長や負荷の軽減につながるため、どんどん取り入れていきます。
一見、遠回りのようですが、行動へのフィードバックを淡々と継続することが若手の能力を高めることにつながり、結果的に現場を楽にする近道になるのです。
さらに有効なのが、できる限り「ルール化」「仕組み化」することです。
わかりやすい例は、実はアルバイトにあったりします。あるファミレスでは、お客様のお水がコップの半分以下になったら注いで回ろう、というルールがあって、これがちゃんと機能しています。
バイト店員からすれば、コップに水を注ぐ“やる気”なんてないわけですが、ルールなので淡々とやる。
そこを、そうしたルール化をしないまま、「もっとお客様の気持ちになって」「心から満足していただくために」とあいまいな感情論を持ち出してしまいがちなのが上の世代。ルール化が進めば、次第に若者はルールどおりに動き出し、結果として管理職やベテラン世代の負担は減っていきます。
