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ビジネス #すごい中堅企業100 2026年版

サーモン海上養殖で国内トップクラスのオカムラ食品工業/海外の魚食ブーム追い風に生産量3倍へ、垂直統合で競争力向上

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サーモンの養殖場
オカムラ食品工業の子会社、日本サーモンファームが青森県今別町で展開するサーモンの養殖場。給餌は海上に浮かんだバージ船から行う(撮影:今井康一)

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「中堅企業」カテゴリーの創設から約1年半が経過し、政府の支援策も本格的に動き出した。AIの進化や人手不足、インフレといった構造変化の中で、中堅企業は成長の牽引役として存在感を高めている。本特集では注目企業の戦略や競争力の源泉を徹底解説。ランキングなどを通じて、その実像と可能性に迫る。

オカムラ食品工業|上場(青森県青森市)

[設 立]1971年
[代表者]岡村恒一
[売上高]353億円(2025年6月期、連結)
[従業員]95人(単体)

すしネタで人気の高いサーモン。ノルウェーなど海外の産地が有名だが、日本での生産量も拡大している。直近ではイラン情勢による航空貨物運賃の急騰などにより、海外産サーモンの価格が上昇。その影響からも国産サーモンの引き合いが強い。

その先頭に立つ企業の1つがオカムラ食品工業だ。青森や北海道でサーモントラウトの養殖を展開し、国内でトップクラスの水揚げ量を誇る。

津軽半島先端の青森県今別町に同社の主力の養殖拠点がある。いけすは直径40mと国内最大級で、1基当たり6万〜7万尾が泳ぐ。出荷時には1尾約3kgに成長し、1基で約200トン、現在16基で3200トン規模の生産体制だ。

この海域は養殖に適した条件がそろう。津軽山地が冬の季節風を遮り波は穏やかで、日本海から流れ込む対馬海流により水温も安定する。湾口が開いた地形によって適度な潮流が生まれ、海底環境も保たれる。

生産の要となるのが養殖場の中央に浮かぶバージ船で、餌を積載しエアシャフトで各いけすへ自動給餌する。発電機も備え、沖合での効率的な運用を可能にしている。

バージ船のコントロール室。陸上からもシステムを管理でき、通常は無人(撮影:今井康一)

さらに、ふ化から出荷までのプロセスにも特徴がある。サーモントラウトはふ化後、一定期間淡水で育てる必要がある。稚魚は約1年かけて800g程度まで育成し、その後海水に順応させていけすに移される。海上で餌を食べ、約半年で出荷サイズに成長し、青森市内の工場で加工された後、回転ずし店やスーパーに並ぶ。

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【水産物の「買い負け」が転機に】

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