つまり、正解に到達する手段を自ら考案する必要がない。「先人が決めた正解」と「その正解に辿り着くためのルート」を知り、効率よく覚えることに努力を集中させればいい。実際、学習塾などが教えているのは、まさにこの「より効率的に正解へ辿り着く手段」である。
ところが、社会人の勉強やビジネスの現場は状況が異なる。学問の世界とは正反対だ。第1に、万人に当てはまる唯一の正解が存在しない。第2に、最大の効果を得る手法も人それぞれで、状況によっても変わる。第3に、前例のないケースが山ほどある。
例えば、どういうキャリアを積むべきか、新卒で狙うべき(あるいは狙うべきでない)企業はどこか、人によって答えは千差万別だ。いま何を勉強すべきかも、そもそもキャリアのゴールをどこに置くかも、人それぞれ。万人共通の正解も勝利の方程式も存在しない世界なのだ。
何に向けてどう頑張るかは自分次第で、誰も正解を教えてくれない。
だからこそ、冒頭に述べた通り、報われる“良い努力”と、方向性を間違えた“悪い努力”がどうしても生まれてしまう。
「英語を勉強すべきか」の答えは人によって真逆になる
具体例で考えてみよう。
例えば、英語が苦手なビジネスパーソンが、これから英語学習に注力することは“良い努力”と言えるか。答えは当然、状況によって真逆になる。
「これから日本もますますグローバル化する」「少子高齢化で縮小する日本市場を見据え、日本企業は海外展開を加速する」「だから英語は必須だ」こう言われるともっともらしく聞こえるし、英語学習をしないとマズい、と焦る人も出てくるだろう。
しかし冷静に考えたい。
グローバル化はずっと前から言われてきた話だし、日本市場の縮小に伴う海外進出もいまに始まった話ではない。問うべきは、もっと具体的な問いだ。
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【40代以上のビジネスパーソンは残り時間の使い方が問われる】
