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ライフ #80億分の1コマ

衰退するアルゼンチンの公園で触れた「85歳の誇り」—日本の未来を重ねた取材で、心に突き刺さった"重い問い"とは

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アルゼンチンの公園で、ピザを分け合いながら自分の人生を語る85歳の老人(イラスト:堀江篤史)
  • 泉 秀一 ノンフィクションライター

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「地球の反対側」の日常

ちょうど1年前、地球の反対側を歩いていた。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスまでは、北米経由、欧州経由、中東経由のどのルートを辿っても30時間はかかる。それだけ時間をかけても訪れたかったのは、アルゼンチンという国の「衰退」を知りたかったからだ。

およそ100年前、農業大国として1人当たりGDPが世界5位にランクインしていたアルゼンチンだが、工業化に失敗し、今や同ランキングで80位前後と低迷している。かつては先進国だったが、今や国際経済の主役ではなくなった。

そのアルゼンチンがたどった道筋が、今の日本に重なって見えた。だからと言ってアルゼンチンの人たちが不幸にも思えなかった。これから衰退が予測される日本の未来のヒントを得られないかと、現地で取材していた。

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そんな取材の1コマで、印象的な出会いがあった。

ブエノスアイレスの南に、ボカ地区(La Boca)と呼ばれる港町がある。高所得層が暮らす市の中心部に対して、ボカ地区は肉体労働を中心とした、比較的所得の低い人たちが多いエリアだ。サッカーの名門クラブ「ボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)」のホームタウンといえば、ピンとくる人もいるかもしれない。

私の訪問時、カラフルに塗られた建物が並ぶカミニート(Caminito)と呼ばれる観光地は、平日にもかかわらず観光客で賑わっていた。ボカ・ジュニアーズの英雄であるディエゴ・マラドーナの巨大なマスコットが飾られ、土産物屋が軒を連ねる。レストランの店先から大音量で流れるタンゴの音楽に乗って踊り出したくなるような、陽気な雰囲気が漂っていた。

カミニートのカラフルな建物の外で食事やタンゴを楽しむ観光客たち(写真: Jon G. Fuller/VW Pics/Universal Images Group via Getty Images)

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【公園で出会う人にインタビュー】

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