伊藤忠商事と東日本旅客鉄道(JR東日本)は4月15日、両社の不動産事業子会社を統合すると発表した。昨年12月に、両者は不動産分野における戦略的提携に関する基本合意書を締結しており、その具体策が明らかになったかたちだ。
具体的には今年10月、伊藤忠の不動産事業子会社である伊藤忠都市開発が、JR東日本の不動産事業子会社であるJR東日本不動産を吸収合併する。統合会社にはJR東日本が60%、伊藤忠が40%出資する。
新会社の社名は両社の名前を取り、「JR東日本伊藤忠不動産開発」とする。やや長い名前だが、JR東日本の喜勢陽一社長は「単なる不動産会社ではなく、『デベロッパー』としてのステータスを持ちたいという意味で、『開発』の文字は入れたかった」と話す。
初代社長は、JR東日本側から派遣される見通しだ。
JR東日本の1都3県沿線好立地にアクセス
伊藤忠にとって、不動産分野でJR東日本と組む意義は大きい。
ある商社関係者は、昨今の不動産をめぐる環境について「価格高騰で、土地の仕入れはただでさえ難しい。都心部の土地は大手デベロッパーに加え、最近は投資ファンドまでもが狙っており、商社の投資基準に合わない水準にまで高騰している」と話す。
その点、JR東日本は営業エリアである首都圏を中心に、社宅跡など多くの土地や建物を所有している。今後、JR東日本は1都3県のみで8万5000㎡に及ぶ開発用地を、新会社に拠出していくという。
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【商社の知見で「保有」中心から「回転」型へ】
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