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北海道発「宮殿のような」「客が4時間滞在する書店」の勝算《完全自社運営》の"巨大複合型"で年商158億円企業に成長

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コーチャンフォーの象徴的な外観(写真:筆者撮影)

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前編で筆者が歩いて体験した「宮殿のような書店」コーチャンフォー若葉台店。東京の郊外で11年、広大な複合店というこれまでにない新しい書店の形を示し続けてきた。2026年、一つのSNS投稿が大きな話題となった。「岩波文庫『出版社在庫全点』揃えました」。この投稿は5.6万いいね、1.5万リポストの大反響で、文庫本の売上は想定を上回る約10倍にもなった。だが、これは偶然の成功ではない。北海道で培った「複合店経営」のノウハウと、SNSを活用した新しい読書体験の創出が融合した結果だった。

お城のような外観と売り場のスケール感。書籍を中心に、文具や音楽、カフェなどが集まった北海道発の大型複合店が、東京都稲城市にある。「コーチャンフォー若葉台店」だ。

コーチャンフォーは1997年に北海道で誕生し、道内で6店舗を展開してきた。2014年10月に道外初の店舗として、この「若葉台店」がオープンし、22年には茨城県つくば市に「つくば店」も開業している。

「読書離れ」という声も聞こえる昨今だが、運営会社リラィアブルの売上高は、21年度141.4億円、22年度142.2億円、23年度143.4億円、24年度146.7億円と、増収が続く。25年度は158.4億円を見込んでいる。若葉台店は「岩波文庫の在庫全点揃え」というユニークな取り組みをSNSで発信し、話題も集めている。

なぜ東京の郊外で書籍を中心とした大型店がにぎわうのか。取材で見えてきたのは、広さを生かした売り場作りの工夫と北海道で大切に育まれた思想だった。

北海道で育てたモデルを、そのまま東京へ

コーチャンフォー若葉台店は、東京の西側、多摩丘陵が広がる郊外に立つ。京王相模原線「若葉台駅」からは徒歩5分という距離で、都心からもアクセスしやすい。

多摩丘陵にあるコーチャンフォー若葉台店。里山が近くにあり、郊外に立っていることがわかる(写真:筆者撮影)
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【売り場を整え、徐々に認知を広げてきた】

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