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新学期が始まり、勉強につまずいているというお子さんもいるだろうか。特に算数は、苦手意識が先立って、子どものつまずきが多く見られる教科だ。
簡単な足し算・引き算でも指を使って計算する。何回暗唱しても九九を覚えられない。他の教科はできるけれど、算数だけができない……。
そのような子どもたちは、算数が“ただの苦手”ではなく、努力しても克服できない「算数障害」かもしれない。
一般の教育現場でも認知があまり進んでいないという算数障害について、発達障害心理学を専門とし、『算数障害がわかる本 解けない理由と支援のしかた』などの著書もある熊谷恵子・筑波大学名誉教授(教育学)に話を聞いた。
1クラス当たり約4〜7%はいる「算数障害」
「算数障害は代表的な発達障害の1つである学習障害(LD)に含まれます。知的能力に遅れがないにもかかわらず、学習に困難がある状態です。『聞く』『話す』『読む』『計算する』『推論する』という学習に関わる能力のうち、特に計算する、推論することに困難があるのが算数障害です。
知的能力を構成する認知能力の中にアンバランスがあり、算数の習得につまずいてしまいます。生まれ持った特性によるもので、本人の努力不足や親のしつけ、教育環境に問題があるわけではありません」
文部科学省が2022年に全国の公立の小・中学校の通常学級の担任を対象にした調査(岩手、宮城、福島を除く)によると、こうした算数障害は1クラス当たり3.4%に見られると報告されている。
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【算数障害の子どもにはどのような困難があるのか】
