1年生で算数障害に特化した専門的な集団スクリーング検査を実施し、少数指導や個別指導につなげる仕組みが、学校現場に求められる。
その一方で、学習障害の中でも、保護者や教師が気づきやすい読み書き障害に比べて、算数障害はあまり認知が進んでいない。
他の発達障害に隠れ、発見が遅れるケースも
冒頭に述べたとおり、算数障害は発達障害の1つであるLD(学習障害)に含まれるが、代表的な発達障害のADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と併存するケースもある。
「たとえば、算数障害がなくても、集中力がない、よく考えずに行動するという特性があるADHDの子どもにも計算のケアレスミスはよくあり、日によってできたりできなかったりします。算数障害の場合は間違い方に規則性があり、それが両者を見分けるポイントになりますが、なかなか区別できません」
ADHDやASDの行動面の特性は就学前から生活の中に表れて目立ちやすいため、それに隠れて就学後に起こる算数障害の特性が見えにくくなる。その結果、子どもへの支援が発達障害にフォーカスしたソーシャルスキルトレーニングになり、算数障害が置き去りにされてしまうケースもある。
そこで熊谷名誉教授は算数障害の疑いがあるならば、知能検査を受けることを勧めている。算数障害に限らず学習障害の子どもは極端に高い能力と低い能力が混在しているが、知能検査ではその認知能力のアンバランスが見つかりやすいという。
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【子どもの様子を見ている間にも、学校の授業はどんどん進む】
